街並サーベイ・メモ9 吉祥寺 多様なものがあるのが町  2006.2・.3
 右の3枚の風景は吉祥寺にあって、自由が丘にないもの。

@ アーケード:駅からL字型に伸び800mはある。半開閉式で、これだけの街であれば一部がこうなってもおかしくない。

A ドヤ的な横丁:火災の危険を感じると同時に、どうやったら安全を確保しながら残してやれるか、つい考えてしまう。

B 公園:これぞアメニティ(風流)といわんばかりの井の頭公園。街の景観には強力な武器。北側のお寺も町のシンボル。

●この規模と多様性があってやっと中心商店街(ダウンタウン)。
吉祥寺は、リッチな街、武蔵野市のダウンタウンと言ってよい。
再開発もやり、駅広やアーケード通りのバイパス位置に駅へのアクセス道路も出来ている。伊勢丹、東急、丸井、駅SCの核店舗に、映画館、ギャラリー、市の小ホール(2004年、130席)等々。
 通過交通の多い公園通りや井の頭通りがあるからこそ、フルモールもつくれる。再開発があれば、駅の側にトムソーヤのような廃屋もある。きめ細かな街づくりは殆どないが、多種多様なものが詰まっていて、武蔵野市民にとって充足性はあるだろう。
 
●街並み論から行けば、吉祥寺は一言で語れない要素がある。
部分でいえば「駅から井の頭公園への蚤市風、旧原宿風の店舗と飲食店のある歩行者道路」は低層で洒落すぎていない家並みが、歩く人をのんびりさせる。
 又、東急デパート裏の、新旧建物がうまく調和している街並みに注目すべきか。(下図)
 これからの街並みサーベイでも引き続き検討したいテーマ「感染り写る家並み」の例証である。(その場に合った良い要素--スタイル--は伝染し写像をつくるという意味)
これは「街並みはルールである」という法則に対して、「部分が他に及ぼす影響、若しくは何らかの仕掛けによっても景観は形成される」という仮説である。・・・続く 
 


「家並みは感染る(うつる)」という事例:両写真とも手前右建物は大正モダン風の古い建物。その並びの新しいガラス張り建物も壁面分割や部分に古い様式の写しがあり、先に建ったものの影響が見られる。東急裏通り/サーベイ8参照

    

@.かなり立派なもの。取り払ったほうが良いといえないアーケードの一つ。


Aハモニカ横丁:この80m四方一体の縁にすごい行列が出来る店がある。


B井の頭公園:小奇麗な街並の少ない吉祥寺であればこその絶大な集客施設。


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