指導者の道 自分が良き指導者になるために
指導者とは 〜私が1指導者になるために〜
スカウティングMLの2周年記念に投稿した読み物です。私が指導者として子供達と接する時の考えを、改めて考え直して書いてみました。かなり硬い文章なんですが一生懸命書きました。
私が一指導者になるために
スカウティングの目的は、”子供たちをより良き大人”へ育てること。
この単純な目的はわかっています。
しかし、いつの間にか、子供たちを型にはめてしまっているときがありました。
スカウトは一人一人違った何かを持っています。
そしてスカウトの一人一人の将来も同様に違うでしょう。
スカウト達が大人になったときに役立てるような経験をするために、活動があり、指導者はちょっとお手伝いをするためにいるのです。
私たち指導者は4つの道具(手段)を持っています。
指導者講習会や隊長ハンドブック、先輩リーダーから教わったことです。
その道具とはスカウティングの柱、ちかいとおきての実践、野外活動、バッジシステム(進歩制度)、グループワーク(班制度)です。
子供たちは活動と言う遊びの中で役に立つ物、身につける物を発見していき育っていきます。
その子供たちを見守り、子供だけでは解決できない問題にアドバイスを与え、子供たち自信が発見していくお手伝いをするのが指導者の役目なのです。
子供たちの年代によって、指導者のお手伝いの方法は変わりますが、指導者としての役割は「子供たち自身が発見していくお手伝い」に変わりはありません。
子供たちがやりたいことを見つけたら、子供たちが遊べるようにお手伝いをそっとしてあげます、そのとき指導者は4つの道具を使うことができるでしょう。
ここで気を付けなくてはいけないことは、4つの道具は大変便利な物ですが、その枠で子供の遊び心を縛ってはいけません。 あくまで子供がやりたいことがあってその手段として4つの道具があるからです。
このやり方だと、当然スカウト活動の枠でははめることができない事もあるでしょう。
つまり、わざわざスカウト活動で、やらなくても好きなことを子供達だけでやってればいいと言う意見もあるかも知れません。
しかし、それは違うのです。
なぜなら、スカウティングの4つの道具は教育の手段としては、とても優れた物だからです。
私たち指導者は、スカウティングの4つの道具を知っています。
子供たちにこの4つの道具を使ってチョットお手伝いをすることで、子供たちが遊ぶ事によって得られる経験を何倍も大きくすることができるのです。
4つの道具を細かく見ていきましょう
ちかいとおきての実践
ちかいとおきてはすべて「私は〜します」「スカウトは〜です」と自発的な言葉として書かれています。
これは大人に押しつけられて、大人から見たいい子になるのではなく、自分はちかいとおきてで言ったような人間になれるように努力するという意味が含まれています。
ちかいとおきてに書かれている内容は、別に言われなくても普段からしていることです。
でも、それを、誰かに言われるからやるのではなく、自分の言葉で言う事が大切なのです。
そして、ちかいとおきてで言った内容を日々の生活で努力するとで自分で見て、自分で考え、自分で行える人間に成長していくことができるのです。
野外活動
野外活動は、自分の家や学校などの決められた居場所から離れて、新しい世界へ飛び出すという意味だと思います。
室内と屋外や、都会と自然と言う意味ではなく、居心地の良い保護された環境から外へ出て、冒険の世界へ飛び込んでいく、そこにはスカウトの仲間がいて、信頼できる指導者がいます。
子供たちは普段とは違う世界で、普段とは違う遊びができるのです。
そのことは、普通では味わえない貴重な経験となることでしょう。
バッジシステム(進歩制度)
子供たちは遊び心をどんどん大きくしていくと、冒険へ挑戦したくなります。
簡単な遊びのあいだは技能も知識も必要ではないでしょう。
しかし冒険へ挑戦するには、様々な技能や知識が必要になってきます。
でも技能や知識を修得するのは大変です。
スカウト活動では、バッジシステムによって目の前にあるレベルの課題が見えることにより、その課題をクリアーしようとします。
そして課題をクリアーするには、技能や知識の習得が必要ですが、課題を終えたとき、その技能や知識は自分の物になっているのです。
初級スカウトは初級スカウトの冒険に挑戦でき、一級スカウトは初級スカウトよりも、2級スカウトよりも、困難な冒険をする技能や知識が身に付いています。
また、初級スカウトは1級スカウトを見て、自分も1級スカウトになりたいと思うことでしょう。
そのとき、胸に付いている赤い1級章が欲しいという気持ちでもいいのです。
この初級スカウトが1級スカウトのなったときには、あこがれた1級スカウトと同じだけの技能と知識が身に付いていて、同じ冒険へ出発できるのですから。
困難な冒険を成し遂げるための技能と知識を、日々の訓練で身につけるためのバッジシステムがあるのです。
グループワーク(班制度)
遊びや冒険はひとりでもできますが、なんでスカウト活動では同年代でグループを作り活動するのでしょうか。
それは一人や違う年代との活動では得ることができない、「責任感」と「リーダーシップ」を学ぶためだと思います。
グループの一員として、自分の力を見極め、グループの一部として自分でできることをする。
自分の分担を持つことによって、一人ではできないことがグループでは可能なこと、そのとき自分の分担を責任もってやらなくてはいけないことを学ぶことができます。
また、グループのリーダーも同年代のなから選びます。
グループの中でリーダーと認められるためには、公正であり、技能と知識に優れ、責任感を持ち、グループの進路を決める決断力が要求されます。
グループの中でリーダーとなった時には、グループの一員だったときよりいっそうの努力を行い、グループ全体を見る広い視野を持つことになるでしょう。
こうしてリーダーシップが育っていくのです。
グループワークの中でしか育てることができない「責任感」と「リーダーシップ」は必ず自分への大きな資産となるはずです。
以上4つの道具を改めて見つめ直しました。
繰り返し書きます、スカウト活動とは、この4つの道具を使って、子供たちが自らの遊びの中で自分を発見し、成長していくのです。
そして指導者は、そのお手伝いをするためにいるのです。
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以下の書籍、文章を参考にしました
スカウティング フォア ボーイズ(ボーイスカウト日本連盟)
ボーイスカウト(田中治彦著 中公新書)
日本連盟教育規定(ボーイスカウト日本連盟)
おきて指導の手引き(ボーイスカウト日本連盟)
スカウティングML[128][4826関連][7402関連][8708関連]
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ちかいとおきて
私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。
1.神(仏)と国とに誠をつくしおきてを守ります。
1.いつも、他の人々をたすけます。
1.からだを強くし、心すこやかに、得をやしないます。
1.スカウトは誠実である
2.スカウトは友情にあつい
3.スカウトは礼儀正しい
4.スカウトは親切である
5.スカウトは快活である
6.スカウトは質素である
7.スカウトは勇敢である
8.スカウトは感謝の心を持つ
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99/10/01作成
99/12/12更新
2000/01/12HTML版作成
2000/03/12更新
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