忍者キャプターさくら

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0.設定

 俳優達は、主役の「忍者キャプターさくら」および、その配下である「九郎(クロウ)忍者」の役割を与えられます。俳優の人数が非常に多い場合、「カードキャプターさくら」に登場した脇役の役柄(さくらの兄、親友etc.)を与えても構いません。
「忍者キャプターさくら」および「九郎忍者」たちには、フォーチュン・クッキー・シアターのルールに準じて〈格闘〉〈アクロバット〉その他、必要と思われる武器を扱う技能を与えて構いません。
 以下に、配役の一例を挙げます。

天童 さくら(てんどう・さくら)/「忍者キャプターさくら」:主役。現代に転生した伝説の「九郎忍者」を集める使命を背負う羽目になった普通の少女。九郎忍者の封印を解く「レリーズ(封印解除)」能力の発動判定は、「マジカル・プリンセス」の魔法発動判定に準じて行う。
本願寺 知世(ほんがんじ・ちせ):いかにもか弱そうな雰囲気を漂わす少女だが、その実ブラックホール並の胃袋を持つ。主人公の親友(?)。
風乃 又三郎(かぜの・またさぶろう)/「九郎忍者:旋(ツムジ)」:さくらたちの同級生で、主人公の「さくら」をライバル視する少年忍者。元ネタの「シャオラン」役回り。
水影 ゆかり(みずかげ・ゆかり)/「九郎忍者:潮(ウシオ)」:さくらたちの同級生。物静かで影が薄いが、その割にいつの間にか人の背後に立つなど、妙な存在感がある。
天童 梅次(てんどう・うめじ):さくらの兄で、高校生。忍びの力を隠して、妹の戦いを影ながら見守る兄。
金村 巧(かなむら・こう)/「九郎忍者:銀(シロガネ)」:梅次の同級生で、親友(?)。元ネタの「月(ユエ)」的役どころ。普段の性格と忍び姿の時とでは、性格が豹変する。
雷 光二郎(らい・こうじろう)/「九郎忍者:雷(イカズチ)」:クロウ忍者中の最年長(壮年)。本願寺家の執事で、若い九郎忍者たちやさくらをサポートする参謀格。

 ちなみに、さくらの通う学校は、中学高校一貫の私立校としておくのが良いでしょう。

1.導入

 監督は、以下の原稿をさくら役の俳優に渡し、読み上げさせます。部分的に異なる配役のセリフが入る部分については、該当の配役に読み上げさせるのがよいでしょう。

さくら「ヤッホー、わたし天童さくら。14歳、中2。ある日、私の目の前に現われた、人間の言葉をしゃべる犬、忍犬の『ケルちゃん』に」
ケル「なんべん言うたら分かるんや!? ケルちゃんやのうて『蹴兵衛』や!!」
さくら「いいじゃん、ケルちゃんの方が可愛くて」
ケル「トホホ……なんでこんなんが新たな九郎忍群の頭領やねんな」
さくら「あ、そうそう。ケルちゃんにいきなり『お前は新たな『九郎忍群』の頭領になるんやー!』なんて言われて」
ケル「かつて九郎判官の下に束ねられていた超忍者集団『九郎忍群』。彼らは、揃ってこの現代に転生しとる。今はあちこちに散らばっとる彼らを、もいっぺん集めるんが、さくら、お前の使命なんや」
知世「自らの使命を知らず暴走する九郎忍者の脅威から、ご町内を守る忍者キャプターさくら! ああっ、かっこいいですわあっ!」
さくら「ち、知世ちゃん……(^_^;)」
知世「特別なことをするときには特別な服を着る。そして、その記念撮影はお約束! さくらさんの勇姿は、この私がビデオにしっかり収めさせていただきますわ!」
さくら「と、とにもかくにも始まった九郎忍者探し。知世ちゃんところの執事さんの雷おじさんや……」
雷「この日をお待ちしておりました。では参りましょうか、さくら殿」
さくら「お友達のゆかりちゃん……」
ゆかり「呼びました? さくらさん」
さくら「うわあ! いつからそこにいたの、ゆかりちゃんてば!?」
又三郎「おれはまだ、お前を認めたわけじゃないからな!」
さくら「転校生の、風乃又三郎くん。それに、お兄ちゃんのお友達で、私の憧れの人、巧さん(ぽっ)」
巧「さくらちゃん……お菓子、食べるかい?」
さくら「今では、4人の九郎忍者が仲間になってくれたの。みんなのおかげで、九郎忍者探しも、あと一息! さくら、がんばります!!」
梅次「こらー怪獣! 早く支度しねーと遅刻すんぞー!」
さくら「んもーお兄ちゃんたら! 誰が怪獣よ、誰が!? いつか踏んでやるー!!」

2.発端

 冒頭、全員に〈警戒〉判定を行わせます。成功した人は、朝のニュースの中に、自分たちが住む町の一角で、深夜のボヤ騒ぎがあったことを知ります。死者は出ていませんが、俳優達が通う学校の不良生徒数人が、ヤケドを負って入院しているらしく、警察では彼らの火遊びが原因と考えているようです。
 この情報を、さくらに付き従っている忍犬「蹴兵衛」に伝えると、蹴兵衛はこう答えます:「……こりゃあ、ひょっとすると『炎(ホムラ)』の仕業かもしれへんな」

忍犬「蹴兵衛」

 《ねえボスってば、この蹴兵衛のデータ、NIBでもスペース・エルドラドでも見たことがあるんだけどっっ》
 蹴兵衛の説明によれば、九郎忍群の一人「炎」は、九郎忍群の中でも特に戦闘力に秀で、その能力は火炎を操る術であるとのことです。
 監督は、俳優達の誰かが、ヤケドを負った不良学生のクラスメートであるとして構いません。俳優達は、情報を得るために彼らに接触を試みるでしょう。不良学生はエキストラですので、俳優達が〈説得〉などの技能に成功すれば、比較的容易に知っていることをしゃべります。彼らの知っていることの要点は、以下の通りです:

「奇妙な仮面を付けた忍者のようなやつがフラフラしていたので、ちょっかいをかけたところ、突然辺りが火に包まれた」


3.「炎」との邂逅

 俳優達が「炎」と接触する方法は、結局のところ、待ち伏せくらいしかないと思われますが、その他俳優がよい思いつきをした場合には、適宜それを取り入れてください。
 夜の街に、俳優達は、忍者キャプターの派手な衣装をつけ、派手なサイレンを鳴らして突っ走るキャプターカーに全員乗り込んで、出撃するでしょう。《マーク、ホントにこんな説明で、みんな意味分かるの? ……「そもそもこんなページを読んでる人なら絶対大丈夫だ」って、それって問題発言じゃない?》
 そして深夜、街を見張る俳優達の前に、「炎」が姿を現します。

九郎忍者「炎(ホムラ)」

「炎」は意識がなく、俳優達の呼びかけには(この時点では)答えようとしません。俳優達が戦闘で何とかしようとすると、炎は「閃光火炎陣」を放ちます。なお、このシーンで主役のさくらを救うための自己犠牲的行動(〈アクロバット〉で割って入りダメージを代わって受けるetc.)を採った俳優には、最後のキャストパーティーでボーナス人気ポイントを1点与えるなどの報酬を与えてよいでしょう。
「閃光火炎陣」の業火が消え去った後には、「炎」の姿はありません。〈警戒〉判定に成功した俳優は、「炎」が超人的なジャンプ力で彼方へ飛び去ったことを目撃します。また、その際の足の動きが、独特の癖のある動き(ex.かかとを少し横にスライドさせるように踏みしめる[by 仮面ライダークウガ])をしていたことにも気づきます。


4.「炎」の正体

 蹴兵衛の説明によれば、「炎」が見せたジャンプ力は、九郎忍者の能力が常人より遙かに高いことを考えても驚異的なレベルであるとのことです。また、九郎忍者としての能力は、人間体のときの能力をベースにしているため、おそらく「炎」の正体は、オリンピック級のジャンプ力を持った人物であろうという推測が成り立ちます。
 加えて、「炎」の意識がない点については、「普段の生活に大きなプレッシャーや悩みを抱え続けて生活していると、九郎忍群としてのパワーが暴走し、夢遊病のように忍者の姿で徘徊する可能性がある」と説明してくれます。
 知性+20の判定に成功した俳優は、「そういえば自分たちの学校の高校に、走り幅跳びで将来オリンピック出場を嘱望される陸上選手がいる」ことをフラッシュバックで思い出します。その人物の名前は、火野 征矢(ひの・まさや)といいます。監督は、彼が俳優のうちの誰か(高校生)のクラスメートであるとして構いません。
 現在は国体出場を目指して練習を続けているという火野ですが、彼の練習風景を見学していると、苦悩の表情で「だめだ、こんなんじゃ!」と吐き捨てるように呟くのを目撃することができます。何かの〈スポーツ〉技能を持っている俳優の目には、明らかに火野が練習過剰に見えます。

5.「レリーズ」

 俳優達は、「炎」の正体とその悩みを知った上で、再度「炎」を目覚めさせようと試みるでしょう。監督は、俳優達の思いつきに合わせて、このシーンを演出してください。舞台としては、学校のグラウンドや、どこかの競技場のトラックなどが考えられます。《東京都内なら代々木の国立競技場あたりがオススメね》
 一例として、俳優達は「手加減戦闘」を宣言して、説得のセリフを交えつつ「炎」を攻撃することができます。この場合、「炎」のSPが0になると、「炎」の無意識による変身は解け、火野としての意識を取り戻すでしょう(今回は「炎」は逃亡しません)。
 また、俳優達が攻撃を一切せず、ひたすらに〈説得〉を試みる場合もあるでしょう。俳優が〈説得〉のロールに成功したフレームでは、「炎」は頭を抱えて苦しむような動作をし、俳優達に攻撃が飛んでくることはありません。
 一番有効な手段は、俳優達、とくにさくらが火野への〈声援〉判定に成功することです。監督は、このシーンでの俳優達のセリフに充分気を配ってください。セリフの内容によっては、火野にさらにプレッシャーを与えてしまうことも考えられます。判定に失敗するか、声援のセリフがまずいと判断した場合には、「炎」の暴走は止まらず、「閃光火炎陣」が俳優達を襲うでしょう。
 うまく〈声援〉に成功した場合、「炎」の動きはピタリと止まります。さくらにとっては「レリーズ」のチャンスです。さくら役の俳優に、以下のセリフをしゃべらせてください:
「かつて九郎判官に従いし忍びの末よ。我が命に従いあるべき姿に戻れ、九郎忍者!!」

6.エピローグ

 封印の解けた「炎」は火野の姿に戻り、「おれは……いったい、何をしていたんだ……?」と呟きます。そして、俳優達の顔に気づき、続けて「仲間……そうか……かつておれは九郎忍群の一人だった……そして、君たちが……」と独白し、俳優達全員を見回し、最後にさくらを見つめ返します。
 火野は「ありがとう……。今なら、やれる気がする!!」と微笑み、砂場をめがけて走り出します。そして、俳優達を背景にして、火野が大きくジャンプした姿がストップモーションになり、エンディングテロップが流れ始めます。
 テロップが終わり、ジャンプを終えて拳を天に突き上げる火野と、それを親しげに取り巻く俳優達が、映画の最後を飾ります。


THE END………?


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