スペース・エルドラド

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0.設定

 時代は遥かな未来。宇宙航行が日常化しており、特に冒険心のある者たちは、未知の惑星を求めて宇宙の深淵に旅立ちます。いわゆる「スペース・フロンティア」時代の到来です。
 そんな中、人々の中に伝わる伝説が生まれます。それが「スペース・エルドラド」です。宇宙の彼方のどこかにあるといわれる幻の惑星。そこには大量の黄金が眠るとも、不老不死の秘法が隠されているとも言われていますが、誰もそこから生きて帰ったという話は聞きません。しかし、そこを訪れようとする者もまた、決して後を絶ちません。識者の間では単なる伝説と鼻で笑われていますが、一部の異端の学者と多くのスペースマン達は、その存在を強く信じています。

 俳優たちは、それぞれ以下のような役割を与えられます。技能はすべてET(50)です。

 上記以外に、青年には<格闘><拳銃><砲術><宇宙船操縦>に(20)を、パイロットには<格闘><拳銃><砲術>にTを、ガンマンには<格闘><宇宙船操縦>にTを与えます。

 俳優たちの乗る船は、中型の改造船(SP:300)です。武装はレーザー砲塔を前後各2門、合計4門(ダメージ40、<砲術>で使用)です。また、宇宙戦闘機(<宇宙船操縦>で操縦。武装:ビーム砲[ダメージ20、<砲術>で使用]。SPは登場する俳優のものと同じ)2機と、キャタピラの付いた水陸両用の車両(<大型車両>で操縦。武装なし、SP:200)を搭載しています。(注:「鋼鉄の巨人」における、サイズによるダメージの修正は適用しません)
 なお本映画には、球団の日本一に気をよくしたダイエーが出資しています。そのため、宇宙船の名前は「ホーク・センチュリオン」号と決められており、その横腹にはダイエーホークスのマスコットキャラ「ハリーホーク」の笑顔がデカデカと描かれています。
 その他に、俳優たちには小道具として「破壊光線銃」(ルールブックP.23)が渡されます。ガンマンには「フュージョン・コルト45口径(データはコルト45口径と同じ)」や「S&W 44 フォトン・マグナム(データはS&W 44 マグナムと同じ)」を渡してもよいでしょう。また、青年役の俳優が<剣>技能を持っている場合、「父の形見のレーザー・ソード(データは剣と同じ)」を渡すと、より俗悪な雰囲気になるでしょう。


1.導入

1)青年と少女の場合

 青年の住む惑星の大病院。彼の母親が、コールドスリープ処置を受けています。母親はある種の特殊な宇宙ウイルスに冒され、病気の進行を防ぐ手だてはこれしかないのです。
 担当の医師(エキストラ)が、青年にふと漏らします。

医師「現代の医学でお母さんを救うことはできないでしょう……伝説のスペース・エルドラドにあると伝えられる秘法でも以ってしない限り」

 これを聞き、青年はわらにもすがる思いでスペース・エルドラドを目指すことを決意します。《してもらわないと困るのよ。話が進まないから》少女も、青年についていくと主張すべきです。《映画の登場シーンがこれで終わりってんでよければ、別に止めないけど。人気はあがんないわよ》

2)ガンマンの場合

 彼(または彼女)は、凄腕のガンマンです。銀河系をまたにかけ、命懸けの勝負を何度も繰り返し、その度に勝ち続けてきました。しかし、その過程で多くの恨みも買い、官憲からも目の敵にされ、またその首には莫大な賞金もかけられているため、常に生命を狙われています。ガンマンは、そうした生活に疲れ果てていました。
 いつものように宇宙酒場で飲んでいるところへ、青年と少女が入ってきます。彼らは「スペース・エルドラド」の伝説を信じ、そこへ向かおうとしているようです。ガンマンにとって、伝説は決して耳新しいものではありません(「設定」の項にあるような伝説の中身を知っています)し、少なくともそこへ向かった者が誰一人として戻ってこないことはよく知っています。しかし今のガンマンには、そこへ向かうことに対して(それがたとえ自らの死を意味しようとも)大きな魅力を感じる心境になっています。

3)パイロットの場合

 パイロットは多額の借金を抱えており、今度不渡りを出したら、愛機「ホーク・センチュリオン」号が借金のかたに取られるだけでは済まないでしょう。彼もガンマン同様、スペース・エルドラドの伝説はよく耳にしていますが、今やそこで一攫千金でも目指さないことには、明日はないという心境です。そんな彼(または彼女)もガンマン同様、酒場で青年たちと出会うことになります。

4)学者の場合

 スペース・エルドラドの存在は、宇宙考古学界では単なる伝説として一笑に付されており、認められていません。しかし、この学者はその存在をかたくなに信じ、それを実証しようとしてやっきです。実証することができるのなら、自らの生命を賭けても構わないとまで思いつめています。
 スペース・エルドラドの情報を求めて訪れた宇宙酒場で、青年たちと出会います。

 上記のようなメンバーが、酒場で一同に会することになります。
 青年は、まず酒場で飲んでいる誰か(多くの場合、エキストラの誰か)にスペース・エルドラドについて聞こうとするでしょう。当然のごとく、それはいさかいの種になります。(田舎出の純朴な青年と飲んだくれのスペースマンとの間に、幸運な意思疎通がなされることは稀です)青年が連れている少女の美しさも、また格好の争いの火種になるでしょう。酒場での乱闘を始めて下さい。乱闘は、当然のごとく他の俳優も巻き込みます。その他の乱闘参加者は全員エキストラで、人数は、各俳優あたり(人気の1/5)人程度いてよいでしょう。技能は<格闘><拳銃>にTです。ただ、俳優が銃を抜かない限り、銃を抜く者はいないでしょう。また、酒場での乱闘シーンでは、銃で撃たれるなどしない限り、死者は出ません。
 エキストラが全員ノックダウンするか、または<説得>されるなどして乱闘が収まると、酒場は再び元の平和な喧燥に戻ります。そこで、突然一人の老人が叫びます。

老人「誰がなんといおうと、スペース・エルドラドは存在するんじゃ!」
 青年は、当然ながらこの老人に興味を示し、話を聞こうとするでしょう。
 老人によれば、彼はスペース・エルドラドに行ったことがあり、そこから戻ってきたのだと言います。老人は、いかにも老人らしい冗長な言い回しでスペース・エルドラドの伝説を語り(内容は「設定」の項にあるものです)、さらにその所在を「宇宙エーテルの激流逆巻く『スペース・アマゾン川』の遥か上流、幾多の苦難を乗り越えた先にある神秘の宙域にそれはある」と言い残すと、急に苦しみ出し、突然に息絶えます。青年の目から見ると、その症状は母親のものに酷似しているように思えます。

 いずれにせよ、彼らは共に旅立つことを決意しますが、パイロットはここで大事なことを思い出します。「ホーク・センチュリオン」を動かすには、優秀なメカニックが欠かせません。もちろん、彼はそのメカニックに心当たりがあり、家も知っています。彼の名は「ポティート」です。

ポティート

 《ねえ、このポティートのデータ、NIBで見たことがあるんだけど》ポティートの外見は、まるで地球で言うところの「ハンドパペット」のような形をしています。宇宙船の緻密な細部を手で修理することは不可能であり、彼のような優秀なサイキックが、その「目に見えない心の指先」で修理するのが常識なのです。
 ポティートは、パイロットがスペース・エルドラドを目指す、という話を聞いて一言二言不平を漏らしますが、結局こう言います:「おめえとは腐れ縁だし、しょうがねえ、つきあってやるよ」


2.耐え難く長く苦しい宇宙航行

 老人の遺言を頼りに、俳優たちはスペース・エルドラドを目指して出航します。
 しかし出航して間もなく、SOS信号が飛び込みます。

女性の声「助けて下さい! 追われています!!」

 宇宙海賊が操っているらしい黒い宇宙戦闘機に追われている小型宇宙艇からの通信です。

黒い宇宙戦闘機(エキストラ)×5

 「ホーク・センチュリオン」号からの砲撃、または宇宙戦闘機で出撃して迎撃することにより、黒い宇宙戦闘機は容易に撃退できるでしょう。
 助けた小型艇の女性は「マリア・シュタイナー」と名乗り、死んだ父親が遺した借金のかたで身売りさせられそうになるところから逃げ出してきたと語ります。そして、この船はどこに向かうかと聞き、「スペース・エルドラドへ」と答えると「私には戻る家がありません。助けてくださったお礼も兼ねて、ぜひ皆さんの冒険にお供させて下さい」と申し出ます。

マリア・シュタイナー

 彼女は父親の日記を示し、「かつて父は、皆さんがお探しの『スペース・エルドラド』を訪れたことがあるようなのです。ひょっとしたら、何かのお役に立つかもしれません」と言います。<文献調査>の判定に成功するなどすれば、スペース・エルドラドまでの大まかな航路を推定できます。日記の全文は用意できませんが、監督は下で俳優たちが遭遇するであろう苦難(ただしスペース・ナチスを除く)を、決して直接的に語らず、そのニュアンスを匂わせるような表現にとどめた上で俳優たちに伝えて下さい。

 父親の死因について聞くと、「奇妙な病に冒されて」死んだと答えます。症状は、青年の母親や酒場で死んだ老人のものに酷似しています。
 また、彼女は医学の心得が有り、俳優たちが怪我をしているようなら手当てをしてくれます(この時点で怪我をしている俳優がいたら、これまでの応急手当などの処置の有無や成否に関わらず、SPを2d10だけ回復させてください)。
 マリアを船に迎えて、いよいよスペース・アマゾン川に入ります。パイロットに<宇宙船操縦>の判定をさせ、失敗したら「船体がミシミシと音を立てている」と伝えて下さい。この時点ではまだ、特にSPの減少はありません。
 しばらく経ってから、今度は全員に<警戒>の判定をさせてください。成功すると、宇宙船の窓から何か飛行物体が接近してくるのが見えます。さらに見ていると、それはエーテルの波間に見え隠れしながら《エーテルの波って、見えるの?》接近してきます。それはやがて、巨大な魚の形をしていることが判ります。狂暴な「宇宙ピラニア」の群れの襲撃です。

宇宙ピラニア

 宇宙ピラニアは多数の群れであり、殲滅することは不可能です。ただし、彼我の大きさの関係等から、1フレームのうちに攻撃をかけてこれる数は10体です。この襲撃シーンは、以下のように戦闘フレーム進行します。

  1. フレームのはじめに、<声援>を行なう俳優がいるかどうか確認し、いる場合は判定を行なわせます。成功すれば、以下の行動はすべて+10%で判定できます。
  2. パイロットが<宇宙船操縦>の判定を行ないます。成功した場合、このフレームは船体にダメージは受けません。1.に戻って次のフレームに入ります。失敗した場合、3.に進みます。
  3. 俳優のうちで<砲術>を使用できる者が、宇宙ピラニアに対して射撃を行ないます。「エキストラに対する複数回攻撃」を適用して、それぞれ(人気/5)回の<砲術>による判定を行ない、命中した回数を合計します。
  4. 命中した回数に応じて、以下の結果が適用されます:
    1. 10回以上:このフレームに襲いかかろうとしていた全ての宇宙ピラニアを撃ち落とすことに成功しました! 船体はダメージを受けずに済みます。1.に戻って次のフレームへ。
    2. 0〜9回:撃ち漏らした宇宙ピラニアが宇宙船にかみつき、船体は激しく揺さぶられます。命中した回数を10から引いた数字に宇宙ピラニアのダメージ10をかけて(10〜100の数字が得られます)、その数字を船体に及ぶダメージとして宇宙船のSPから引いて下さい。この結果、宇宙船のSPが0以下になった場合、船は爆発四散し、俳優たちは宇宙の海の藻屑と消え去ります。まだSPが残っていれば、1.に戻って次のフレームへ。
 戦闘フレームは6フレーム程度が適当でしょう。もっと長く戦闘シーンを演出したい場合には、それでも構いません。
(監督へのアドバイス)ここで俳優たちを殲滅することが目的ではありませんので、監督は多少の手加減をしてもよいでしょうが、それよりもフィルム破損セットを降りるなどのルールがあることを示唆してあげて下さい。

 宇宙ピラニアの群れを振り切ったものの、宇宙船はかなりのダメージを受けます(万一まったく受けてない場合には、燃料が心もとなくなります)。ポティートは必死の修理を試みますが、そう長く航行を続けることはできないと告げます。
 そこへ、奇跡のように現われた1個の惑星があります。マリアの父親の日記から推定すれば、あの惑星が探し求めた「スペース・エルドラド」に違いありません。
 船体が(あるいは燃料が)惑星までもつかどうかは、かなりギリギリです。パイロットは<宇宙船操縦>による着陸を試みて下さい。成功すれば、大過なく不時着できます。失敗した場合、辛うじて不時着はできるものの、船体は激しく地面に激突し、俳優は衝撃によって全員20ダメージを受けます。
 なお、ホーク・センチュリオン号が惑星に不時着する直前、俳優全員に<警戒>判定を行なわせます。成功すると、不時着地点から数十キロ程度離れたあたりに、巨大な神殿のような石造建築物が見えます。全員失敗した場合には、ポティートかマリアが成功したことにしてもよいでしょう。

(視聴者の視点)

 不時着を試みるために必死の俳優たちをよそに、人目を避けるように扉の陰から様子をうかがうマリア。やがて、小型の通信機らしきものを取り出し、呼びかける。
マリア「こちらマリア。予定通り到着の予定です」
謎の声「了解。次の作戦段階に入れ」
マリア「了解。以上」

3.秘境惑星

 辛うじて不時着した俳優たちですが、宇宙船は相当な修理が必要です。修理のために船に残ると言うポティートを残して、俳優たちとマリアは惑星に降り立ち、車両で遺跡らしきものの方角へ目指すことになるでしょう。
 しばらく進むと、車両はスペース・エルドラド・タイガー2体の襲撃を受けます。《ねえ、それって普通のトラと、どう違うの?》

スペース・エルドラド・タイガー

 監督は、このデータでは弱すぎると判断した場合、ルールブックP.61「剣歯虎」のデータを使用しても構いません。
 まず、タイガーは俳優たちの乗っている車体に攻撃をかけます。車体のSPが0になってからは、俳優たち一人一人に攻撃をかけてくるでしょう。車両が走っている間の戦闘フレーム進行は、以下のように行ないます:

  1. フレームのはじめに、<声援>を行なう俳優がいるかどうか確認し、いる場合は判定を行なわせます。成功すれば、以下の行動はすべて+10%で判定できます。
  2. パイロットが<大型車両>の判定を行ないます。成功した場合、このフレームは車体にダメージは受けません。1.に戻って次のフレームに入ります。失敗した場合、3.に進みます。
  3. その他の俳優で<拳銃>を使用できる者が、タイガーに対して射撃を行ないます。
  4. 俳優の攻撃が命中したタイガーは、ひるんで車体への攻撃ができません。それ以外のタイガーは、車体に攻撃をかけます。攻撃の結果、車体がまだ無事ならば1.に戻って次のフレームに入ります。
 戦闘フレームが6フレーム程度続いても車体が無事な場合、タイガーは(まだ生きていても)追うのをあきらめます。万一車体が破壊された場合は、タイガーが死ぬか俳優が全滅するまで戦闘は継続されます。なお、マリアは戦闘には参加しません。
 ここで、まだ車体が無事であった場合、パイロットに再度<大型車両>の判定を行なわせます。失敗すると車体はスピンして樹に激突し、乗っている全員が一律20ダメージを受けます。成功すれば無事ですが、タイガーの攻撃による燃料漏れで、車体は停止してしまいます。いずれにせよ、ここからは徒歩で遺跡を目指さなくてはなりません。
 マリアによる応急処置《そしてもちろんお色直しよ、忘れないで》を済ませた後、俳優たちは沼地を泥だらけになりながら歩くことになります。しばらくしたところで全員に<警戒>ロールを行なわせて下さい。失敗した俳優は、突然上から降ってきた網に捕らえられてしまいます。成功した者は敏捷の判定に成功すると避けられますが、即座にその俳優を、槍を構えた「大勢の」半裸の女たちが取り囲んでしまいます。ちなみに彼女らはエキストラですが、決してその人数を言わないでください(下手に数を言うと、倒されてしまうかもしれないからです)。あくまで「大勢」です。
 彼女らこそ、聖地「スペース・エルドラド」を古より護り続けてきた「スペース・アマゾネス」の一族なのです。
 全員が捕らえられた後、俳優たちはマリアの姿が消えていることに気づきます。

4.虜囚

 捕らえられた俳優たちは両手を縛られた上に猿ぐつわをかまされ、不時着する寸前に見えた神殿へと連行されます。そこにはスペース・アマゾネスの族長(ライナ)と、鍵十字のついた軍服を着た女性らしき人物(メリッサ・ハインリッヒ・ヘス)、そしてマリアがいます。<歴史学>の判定に成功すると、その軍服が悪名高い「スペース・ナチス」のものであることが分かります。
 スペース・ナチスは、我々の知るナチスを母体としていましたが、悠久の時の流れの末、「始祖ヒトラー」を神として崇めるカルト宗教と化しています。信者はほとんど男で、「大いなる父ヒトラー」を崇めるあまり、ゲイ志向に走っている者が多いのも特徴です。彼らの目的はただひとつ、「始祖の復活」です。
アマゾネスA「族長ライナ、捕虜を連れて参りました」
族長ライナ「ご苦労だった」
ヘス「オーッホッホッホ! まんまと罠にかかってくれたようねぇ。マリア、お前もご苦労でした」
マリア「(やや暗い表情で)ありがとうございます、ヘス大佐」
族長ライナ「おまえたちのうち、オスは試験を受けることになる。合格したものは、我々と生殖を行なう。メスと不合格のオスは、明日の夜執り行われる儀式の生け贄に捧げられる」
 ここで、ヘスの声を聞いた俳優たちに<警戒>判定を行なわせます。成功した者は、ヘスの声が女にしては野太いような気がします。正直言って「オカマ」と思うでしょう。よく観察すれば、他のスペース・ナチスも(マリアは別です)女のような顔をしてはいますが、筋肉質の身体といい剃り残したヒゲといい、あきらかに男の特徴を残しています。しかし、猿ぐつわをかけられていてはしゃべれません。
 やがて俳優たちのうち、男性は牢屋へ、女性は「清めの泉」へと連れて行かれます。《ダーリンはクレバーな人だから、泉が視聴者サービスのために用意されてるってことは、言わなくても分かってるわよね》
 視聴者シーンで、俳優たちが連れて行かれる姿を唇をかみしめた悔しさと悲しさの入り混じった表情で見送るマリアの映像を俳優たちに伝えて下さい。

(アドバイス)この後、連れて行かれる途中で縄を切って戦う、牢屋の中で脱走のプランを練る、泉で大人しく従うと思わせておいて(視聴者サービスすると見せかけて、あるいは実際に視聴者サービスをして)油断させて敵を倒す、さらに「セットを降りる」「フィルム破損」などなど、いろいろな状況が考えられます。その全ての状況を想定することはできませんが、俳優たちが自力で何とかしようとする場合、適度な困難を与えてチャレンジさせるべきです。簡単な例としては、以下に列挙した適当な強さと数の敵を出して倒させるのがよいでしょう。

スペース・アマゾネス(エキストラ)

スペース・ナチス(エキストラ)

スペース・アマゾネス隊長

スペース・ナチス隊長

 俳優たちが何ら行動しない場合、マリアが助けに来るという「安っぽいオチ」も有り得るでしょう。その場合、マリアは男性俳優のうちの誰かにこう言います:「だって愛してしまったんですもの」。
 いずれにせよ、何らかの方法で脱出した上で、俳優たちは再度神殿へと戻ることになります。


5.対決

 神殿に戻ると、マリアが(前章で「安っぽいオチ」が使われていなければ)俳優たちを待っています。マリアは素早く周りを見回してから、「こっちです」と俳優たちを案内しようとします。俳優たちが彼女を疑う場合、「訳は道々話します。とにかく今は……誰か来ます、急いで!」と言います。
 マリアは俳優たちを神殿の奥へと案内しながら、俳優たちをだましたことを詫び、理由を説明します。マリアの父はかつて『スペース・エルドラド』へ向かって消息を絶ち、マリアは弟のフランクと共に父を探す旅に出たのですが、その途中でスペース・ナチスに捕われました。弟のフランクを人質に取られたマリアは、やむなくスペース・ナチスの言いなりになっていたというのです。彼女の役割は、「スペース・エルドラド」を目指すスペースマンたちを、オスと生け贄を求めるスペース・アマゾネスたちのために神殿へと導くことでした。
 ヘスは、そうやってライナに取り入って信頼を得、『スペース・エルドラド』の秘密を手に入れようと目論んでいるのです。
 マリアは言います:「でも、私はもう耐えられません。こんなお願いをできる義理ではありませんが……どうかお願いです。ヘスを倒し、弟を救ってくれませんか?」
 そうこうするうちに、神殿の奥の族長の部屋の前に着きます。<警戒>に成功すると、中の会話が聞こえます:
ヘス「族長ライナ、これで我々があなたがたのために用意したオスは、約束の人数に達しました」
ライナ「分かっている。約束通り、明日の儀式では我らが受け継いできた『王の秘宝』を見せてやろう」
ヘス「おお、ありがとうございます」
 俳優たちが部屋に入ると、戦闘になります。ライナとヘスは、それぞれの部下(データは上記参照)を呼び寄せようとしますが、ヘスたちスペース・ナチスが「オカマ(すなわち男)」であることを暴露すると、「貴様らオスだったのか!? ……我々に嘘をつくとは許せん!!」と怒りをあらわにし、部下たちにスペース・ナチス全員を捕らえるよう命じます。
 ヘスは、エキストラたちの乱闘の隙を見て逃げ出します。俳優たちは、当然ヘスを追うでしょう。すると「ガシャン!ガシャン!」と重々しい足音を立てながら、まるで巨大なロボットのような姿をした怪物が現われます。それを見た途端、マリアの顔色が変わります:「まさか、あれは……!?」
 ヘスは勝ち誇ったように笑いながら言います:「オーッホッホッホ!! 我がスペース・ナチスの科学力は宇宙一イィィィ! さあ、改造人間フランク・シュタイナーよ、奴等を殲滅するのだ!!」そう言いながらヘスは、まるで鉄人28号のリモコンのような形をした機械を操作します。フランク・シュタイナーは、「ウガアァァ!」と叫び声をあげ、俳優たちに襲いかかります。

改造人間フランク・シュタイナー

メリッサ・ハインリッヒ・ヘス大佐

(アドバイス)俳優がマリアを思いやるならば、フランクを倒さず、ヘスからリモコンを奪うか破壊しようとするでしょう。ただし、それをやるためにはフランクの振り回す拳の下をすり抜けて、フランクの背後に隠れているヘスに接敵しなくてはなりません。これは例えば<アクロバット>に成功すれば可能です。
 その他にも、俳優はアイディアを思いつくかもしれません。監督は彼らの言葉に耳を傾け、成功する可能性があると考えれば、適切な処理を行なって下さい。

 フランクを倒すか無力化すると、ヘスは(まだ死んでいなければ)煙幕弾を使って視界をふさぎ、逃げようとします。ヘスを追って外に出ると、天に向かって飛び立つ鍵十字マークの付いた小型宇宙艇が見えます。
 しかし、そこへ修理の終わったホーク・センチュリオン号が颯爽と飛来します。

ポティート「待たせたな! 修理はバッチリ完了だ! みんな、早く乗れ!!」
 ヘスの乗る小型宇宙艇は、武装を積んでいません。一方的な殲滅戦になるでしょう。ヘスの残りSPが、そのまま宇宙艇のSPになります。

6.エピローグ

 スペース・ナチスの嘘を暴いたことで、俳優たちはライナに感謝され、『古の王の秘宝』を目の当たりにすることができます。それは……
  1. ノーマルに:目も眩むばかりの黄金が、俳優たちを迎えます。その一部をライナは俳優たちにくれるといいます。俳優たちは今や億万長者です!
  2. ギャグっぽく:野球のバットらしきものを構えて一本足ですっくと立つ『古の王』の黄金像が、神殿の奥の間に安置されています。周りには、868個の野球のボールによく似た球体が一緒に安置されています。ライナは感謝の証しとして、それを1個ずつ俳優にくれるといいます。これは貴重な文化遺産であり、売ればその価値は計り知れないでしょう。また、学術的にも非常に価値のあるものです。
 青年の家族の病気については、マリアがこう言います:「その病気は恐らく、この『スペース・エルドラド』の風土病の一種だと思います。父もその病に倒れたのですが……長くこの地にいたおかげで、私はその治療法を発見しました。お役に立てると思います」。

 俳優たちに、それぞれの今後を語ってもらいましょう。家族のために戻る者、巨万の富を得て満足する者、スペース・エルドラドに残る者(学術的興味から、あるいは元の世界に未練がないから)など、いろいろだと思います。
 マリアは、青年の母親を治療した後は、弟を元に戻すための方法を探す旅に出るといいます。これに付き合うのであれば……新たな冒険の始まりです。


THE END………?


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