NIB2

  〜恐怖!! 宇宙のパイナップルアーミー〜

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0.設定

 俳優たちは、全員「内閣調査室異星人防犯対策課」、通称「NIB」のメンバーです。
 設定の詳細は、「NIB」に準じます。

 なお、今回の映画は、パイナップルの名産地である沖縄を舞台にします。


1.導入

 監督は、以下のナレーションを俳優たちに聞かせてください。背景は「宇宙」です。1作目で使ったのと同じバンクフィルムが使えるコト、チェックしといてね》

『無限に広がる大宇宙……そこに存在するあまたの星々……そこには、まだ我々人類の知らない様々な生き物が多数生息している。そして、中には人類をはるかに超えた知性と文明を身につけた種族も……』

 宇宙のシーンから地球がクローズアップされ、さらに日本へと視点が降りてきます。
 そして、シーンは沖縄の原生林です。ここで、俳優たちは訓練を行なっています。訓練の内容は監督と俳優の裁量にお任せしますが、例えば俳優の人数が充分に多い場合、待ち伏せ側と探索側とに分かれて模擬戦闘を2〜3フレーム演じるのもよいでしょう。

 その日の夕食には、俳優たちに沖縄の名産品を味わってもらいます。《JAがスポンサーについたんですって。パイナップル食べ放題よ
 俳優たちにはJAがスポンサーであることを説明し、作中で名産品をアピールすればボーナスがあるかもしれないことを匂わせます。機転の早い俳優なら、「JAがスポンサーである」と言っただけで充分でしょう。このシーンは俳優たちがいかに沖縄の名産品をアピールするか、それを楽しむ場面です。
 俳優たちがパイナップルをたらふく食べたら、体格で判定を行ないます。成功しても失敗しても、俳優たちにこう告げて下さい:「舌がひりひりする」。判定に失敗した者は、それ以上料理を食べることができません。
 <生化学>技能の持ち主には、以下のことが解ります(<料理>技能の持ち主でも、判定に成功すれば分かることにして構いません)。注:この部分は後の伏線となりますので、必ず説明しておくようにしてください。

「パイナップルには蛋白質を溶かす酵素が含まれており、肉料理と一緒に食べるのに最適。ただし、食べ過ぎると舌がひりひりすることがあるが、これはつまり酵素によって舌が溶かされているのである」

 その夜、視聴者の視点で、以下のシーンが語られます。

 夜の沖縄の原生林の上空に、ポツンと流れ星のように赤い光が走る。光はグングン大きくなり、やがて原生林の中に消える。

2.調査〜遭遇

 俳優たちが、翌日もまじめに訓練を続けようとすることは稀でしょう。本部の上司から連絡が入ります。

 沖縄の原生林に謎の物体が落下したとの通報があった。諸情報を総合した結果、異星生命体の違法侵入である疑いが濃厚である。君たち(俳優たちのことです)の部隊は、ただちに現場を捜索し、事態の収拾に当たること。

 俳優たちが原生林の探索を始めたら、1〜2度沖縄の野生動物でおどかしてから(<警戒>判定を行なわせ、成功しても失敗しても野鳥やウサギなどが出てきます)、本命のエイリアンを登場させます。

不可視エイリアン

サイズ:1.8m   速度:100
体格 :25   SP:150
知性 :25   人気:20
FXロール:60 ダメージ:20

戦闘特殊効果:投擲(手榴弾):

この攻撃は、目標となった対象に20ダメージを与え、その周辺にいる者にも10ダメージを与えます。ただし、攻撃された側が敏捷(DEX)の判定に成功すれば、20ダメージ→10ダメージ、10ダメージ→0ダメージに減らすことができます。
その他の特殊効果:不可視:
このエイリアンは非常に高度な技術で作られた光学迷彩を着ています。したがって、<警戒>-20の判定に成功しない限り発見できません。このエイリアンを攻撃する場合、<警戒>-20の判定に成功していれば通常通り攻撃できます。また、<警戒>判定に失敗している場合でも、成功した人物が場所を指差すなど指示していれば、攻撃技能-20で命中判定ができます。
免疫体質と弱点:宇宙ウイルスに冒されている:
このエイリアンは植物から進化した生命体であり、植物に対して遺伝子変化を誘発する、ある種の特殊な宇宙ウイルスに冒されています。(詳細は後述)

 俳優たちが単なる力押しで戦おうとすれば、恐らく戦いは熾烈を極めるでしょう。しかし、何らかの方法(前日の訓練で使用したペイント弾で撃つ、オレンジの果汁と沖縄の日光であぶり出しにする等)で俳優たちが不可視エイリアンを可視にすることができれば、さほどの強敵ではありません。
 エイリアンは、可視状態にされるか、SPが50以下になったら、俳優たちから逃亡しようとします。そして、パイナップルが栽培されている林にたどり着いたところで、とどめを刺されます。(エイリアンが最期を迎える場所は、必ずパイナップルの近くにしてください)
 エイリアンのSPが0になったら、エイリアンは自爆します。あるいは、持っていた手榴弾が誘爆したことにしてもよいでしょう。自爆の際に、緑色の体液が飛び散り、付近のパイナップルの木にべっとりとかかり、やがてしゅうしゅうと染み込んでいきます。
 沖縄に再び平和が戻ったかのようにみえます。

マスターへ一言:
 俳優の中には、これがクライマックスの戦闘だと勘違いする人がいるかもしれません。そうすると、ここでカッコつけて自己犠牲的に「死の場面」を演じようとする俳優が現われる可能性もあります。
 しかし、この戦闘はあくまで序章に過ぎません。監督は、そのへんをうまく誘導してあげて下さい。例えば、「まだ映画の尺は半分も行ってないよ」と監督−俳優のレベルで伝えてあげるなどするのがよいでしょう。

3.異変

 ここで視聴者の視点が入ります。以下のシーンを読み上げてください。

 まだ夜も明けやらぬ早朝、パイナップルの林にやってくる農夫A(エキストラ)。「さて、この木もぼちぼち収穫どきだな」と言いながらパイナップルの木を見上げるが、そこにはパイナップルが1個もなっていない。おや?とけげんそうな顔をする農夫A。
 そのとき、近くの草むらがガサガサッと揺れ騒ぐ。はっと振り返る農夫A。「あっ!さてはパイナップル泥棒だな! こら、でてこい!」と草むらを掻き分け、けげんそうな表情になる。
 次の瞬間、その表情は驚きに、そして恐怖へと変わり……

 沖縄の空に、叫び声がとどろく。

「ぎゃあぁ〜〜〜っ!!」

 夜が明けて、再び訓練を続行しようとする(あるいは「訓練」と称してレジャーを楽しもうとする)俳優たちの前に、慌てふためいた姿の農夫B(エキストラ)が登場。息も切れ切れに俳優たちに走り寄り、「た、大変だ! ほ、骨……人間の白骨が……!!」と叫びます。
 俳優たちが農夫Bの案内でパイナップルの林に向かうと、そこには白骨死体(農夫Aのものです)があります。<生化学>技能を持つ者には、この白骨死体がひどく新しいように感じられます。判定に成功すれば、蛋白質を溶かす強力な酵素によって溶かされたのだと気づきます。
 そこへ、上司から連絡が入ります。

 君たち(俳優たち)が倒したエイリアン…これは植物が進化した生命体だったが…を調べたところ、このエイリアンはある種の特殊な宇宙ウイルスに冒されていたことが判明した。このウイルスは植物にのみ感染するのだが、植物に感染した場合その遺伝子に影響を与えて、予想もつかない突然変異を引き起こす恐れがある。何かそちらで異変が起こるかもしれないので、引き続き警戒を怠らぬように。

 ここで俳優たちに<警戒>判定を行なわせて下さい。成功した俳優に、こう告げます:

「君は、ふと背後に気配を感じて振り返る。そこには、パイナップルが1個、ごろんと転がっている。……だがおかしい。確かさっき自分達がここにきた時には、そこにパイナップルはなかったはずだ……
 ここで、幾度か「だるまさんがころんだ」などをやると、コミカルさが増してよいでしょう。ただし、振り返るたびにパイナップルの数は増えています。
 俳優たちが「だるまさんが転んだ」に飽きたのを見計らって、宇宙ウイルスに感染した結果、自走能力と、人間を丸ごと溶かすほど強力な消化酵素を獲得した殺人パイナップルの群れが俳優たちに襲い掛かります。

動く殺人パイナップルの群れ

サイズ:1    速度:20
体格 :0    SP:5
知性 :3    人気:20
FXロール:60 ダメージ:10

戦闘特殊効果:体当たり(特殊):

体当たりをしたパイナップル自身は砕けますが、その汁に触れると肉体が溶けます。母体の樹はその養分を吸収して、さらに殺人パイナップルを急速に増殖するのです。
その他の特殊効果:なし

免疫体質と弱点:
  パイナップル林から出ない:

殺人パイナップルの目的は母体の樹に養分を与えることです。したがって、林からそれほど遠出はしません。ただし、長く放っておけばパイナップルの拡散によって(殺人パイナップルはまるでやしの実のごとく海を渡って別の土地に根を下ろし、母体の樹を増やします)被害は拡大するでしょう。
  ある種のアミノ酸またはワクチン:
パイナップルの消化酵素を無効化するアミノ酸が存在します。または、ウイルスに感染して突然変異したパイナップルに対して、有効なワクチンが存在します。(詳細は後述)
説明:このモンスターは群れですので、1匹2匹を倒しても全滅させることはできません。また、ほとんど本能だけで動いています。

4.クライマックス

 この映画のクライマックスは、何通りもあり得ます。ここでは、俳優たちが思いつく可能性のある解決方法を、いくつか記します。

パイナップルを焼き払う
 俳優たちは、パイナップルたちを林ごと焼き払うことを思いつくでしょう。しかし、これはスポンサーの手前、俳優たち自身の立場が(映画の外で)非常にまずいことになります。それでも俳優たちが強行する場合、勝利はできるでしょうが、映画はオクラ入りとなり、俳優たちにはギャラが支払われません。

殺人パイナップルのサンプルを分析する
 <生化学>技能で分析に成功すれば、強化されたパイナップルの蛋白質消化酵素を無効化する成分が存在することを発見できます。この成分は、ある種のアミノ酸であり、その組成は「くさやの漬け汁」に非常に近いものです。
 俳優たちは、何らかの方法でこれを大量に合成するか、あるいはくさやの漬け汁を伊豆大島へ買い付けにいき、それを林に散布することで(当然、その臭いも散布されますが)、殺人パイナップルを無力化することができます。散布された汁を吸収した母体の樹は、それ以上の殺人パイナップルを作ることができなくなり、普通のパイナップルに戻ります。また、殺人パイナップル自体も徐々に動きを緩め、やがて普通のパイナップルに戻ります。

不可視エイリアンのUFOを探しに行く
 俳優たちは、この事件が宇宙ウイルスによって引き起こされたことを知っています。そして、不可視エイリアンはそのウイルスに対する対抗策を持っていたのではないかと考え、UFOにエイリアンの医療キットがないか調査に向かうこともあるでしょう。この場合、<追跡>などの適切な技能に成功すれば発見できることにして構いません。
 医療キットの中にはワクチンが存在します。このワクチンは経口投与で(というよりも、植物ですから根から吸収すれば)効果を発揮するもので、成分は「くさやの漬け汁」に近いものです。以下、上と同様です。

 クライマックスは、基本的にアクションシーンであるべきです。そのために考えられる演出の例を挙げます。

 俳優の誰かが液体を合成する場合、<生化学>の技能で成功すれば、液体を合成できます。しかし、その間に大量に増殖した殺人パイナップルは近くの村を襲いはじめるので、他の俳優たちはそれを食い止めなくてはなりません。ここでは「エキストラに対する複数回攻撃」のルールを準用しますが、攻撃の判定に失敗した回数だけ反撃を受けます。《つまり、人気が高いほど攻撃のチャンスも多いけど、外した時の危険も高いってわけ。何でって? そりゃあ人気が高いんだもの、戦闘シーンで一番目立つのは当然でしょ》
 合成の判定は戦闘フレーム進行と同時進行で行ない、毎フレームの最後に判定します。すぐに成功するようなら、「合成した液体を持って現場へかけつけるのに3フレームかかる」と言いましょう。なかなか合成できない場合には、合成できた次のフレームに持って来れることにしても構いません。

 液体を買い付けにいく場合、そのための手段が問題になります。通常の交通機関では時間がかかりすぎるからです。しかし、不可視エイリアンのUFOがあります。これで移動すれば、1フレームで伊豆までひとっ飛びです。もちろん、<宇宙船操縦>技能の判定に成功しなくてはなりません。買い付けには、特に判定は不要です。残った俳優たちは、「宇宙船で伊豆へ飛び」「くさやの漬け汁を買い付け」「再度宇宙船で戻ってくる」(それぞれ最低1フレームかかります)までの間、パイナップルを食い止めなくてはならないわけです。

マスターへ一言:
 上記のような一連の判定が不幸にしてなかなか成功せず、残った俳優たちがピンチに陥ることも、ままあるでしょう。しかし、そこはショウ・ビジネスです。容赦なく俳優たちを溶かしてください。切り抜けるための俗悪な手段は、いくつも用意されています。
 なお、沖縄は国内有数の「豚の消費地」でもあります。当然、沖縄にはいたるところで豚が飼ってあります。また、酢豚にパイナップルが入ることに代表されるように、「豚とパイナップルの相性は最高」です。
 このことを俳優が思いついた場合、「パイナップルは豚を見たら本能的にそちらを優先して襲うだろう」と考えるかもしれません。監督は、パイナップルの知力判定を行なって下さい。失敗したら、俳優の期待通りの(豚たちにとっては気の毒な)ことが起こります。いずれにせよ、ワクチンが届くまでの充分な時間稼ぎになるでしょう。


キャストパーティー

 通常の成長に加え、以下の場合にボーナス人気ポイントを与えます。




THE END………?


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