Rj's SkaaRj Page_24


この頁では、私Rjがあのおそろしい3Dゲーム unreal をやってみて思ったことなどを書きます。決して中上級者向けの技術向上参考頁にはなり得ないので、御了承下さい。私はにぶいのです。。。今回は、前回書きそびれた昔話関連のお話が主体です。(1999.07.04)

  1. 登場人物
  2. ありがちな設定等
  3. unrealでは
  4. 現状・・・

その二十四

1.登場人物

登場人物の話をします。unrealのそれではなく、昔話の、典型的なそれです。(unrealのひとたちについては、また後ほど何か書きたいと思っています。)今私の読んでいるグリム童話集に限ったことではないのでしょうが(だって、「さるかに合戦」にそっくりな話までありましたもんね、グリム童話集に。)、昔話に登場するひとたちにはある種の典型が見られるように思います。

ここでは、グリム童話集を読んでいて気になったひとたちをいくつか挙げてゆきます。

定番中の定番です。多くの場合、ただの人間臭い人間です。王さまといっても、ゲーム中に二回(Velora PassとCellars At Dasa Pass)しか登場しないstonetitanさん等とは異なり、そこらに何十人も居る階級の人たちのことが多いみたいです。「むらおさ」「庄屋さん」と、「お殿さま(大名)」の間くらいでしょうか。

文脈上登場するだけのただの脇役、大根でもつとまる役どころ、になっていることが多いみたいです。彼らが個性を発揮することは稀、と。

何故か頻繁に登場します。昔の欧州には「よくいる」技術系の人(職人)、という設定でしょうか。靴屋が重要なのは、流石欧州の文化よの、といった印象。農民などに較べて物語の主役に抜擢されることも多いので、「一目置かれる職業」だったのかもしれません。

彼らは「兵隊」「牛馬羊系家畜」と違って、明確な意志を発揮します。「困ってる彼らに優しい気持ちで接すると、後でひゃくばいにして恩返ししてくれまくり。」という場合が多く見られます。前二者はこの形での登場が主です。一方、鳥は、「魔法を掛けられた王子さま、お姫さま」であることも多いし、人知を超えた能力を示すことも少なくないようです。

ただ、がちょうやにわとりといったひとたちは、どちらかといえば「牛馬羊系」に属するようです。あまりいい役を貰えません。

きつねやおおかみは、知恵があるが人間ほどの「悪賢さ」は発揮しない、という設定で多く登場します。時に「九尾のきつね」が登場したりもしますので(これは東洋系起源か)、きつねというのはおおかみよりも「不思議な」存在だったのかもしれません。ただ、日本の昔話でよくあるように、人間を騙して遊んだりすることは少ないようです。あくまで実直。

「(森の)けだもの」と言われてもそれが何なのかはっきりしないことが多いのですが、こういった表現が多用されています。多く、「夜には森を彷徨う人を食べてしまう。」という、恐怖の対象であるみたいです。欧州を想定すればそれはおおかみかくまなのでしょうが(欧州のやまねこは人を捕って食う程には大づくりではない?)、「ライオン」などという物騒な表現もかなり出てきますので、印度のそれや、中国起源で虎などを含むのかもしれません。(ただ、私の今読んでいる白水社の全集は・・・もしかしたら訳者の方々はどうぶつの種類にさほど注意を払っていないのかも・・・と思える瞬間が無いこともないです。。。)

一角獣というのは伝説上の動物と言われていますが、実在するもので考えればサイ(としたらこれも印度、もしくは阿弗利加起源?)、或いは、人に撃たれて手負いになってしまったヘラジカ(ナダレ、のように暴れたのかも)やバイソンの類?いずれにせよ、暴れん坊で人に迷惑をかける、といった設定です。北極海に居る「イッカク」との関連は薄いようです。

ところで、欧州のくまってどんなのが居ましたっけ?

神さまは人間の延長的存在であることが多いです。ギリシア風という印象です。土地柄から、一部基督教の神さまも入ってきますが、えーとよくわかりません。ただのご都合主義で自分勝手な人間になってる場合もあるみたいです。それに対して死神は、人間臭いドロドロした部分が無く、あくまで公正です。そして、その力は絶大。悪魔は、これまた人間的なものが多いのですが、大きな知恵や力を発揮します。しかし、ある意味で人間よりも実直です。この三者の中で最も理知的なのは、死神。いや、「この三者の中で」と限定せず、昔話に登場しがちな役の中で最も理知的と言っていいかもしれません。いいぞぅ、死神!

魔法使いと魔女、これは非常によく登場します。その性質については、大きく分けて二通りあります。

  1. 人間的に悪賢く、普通の人に出来ないことをやってしまう能力を持つ厄介者。
  2. 不可思議な能力を持ちはするが、強い悪意やドロドロした部分の希薄な存在。

前者が「異民族」で、後者が「リトル・しにがみ」的なのかもしれません。で、その前者、嫉妬や欲望の権化、殺しも厭わぬ残酷な存在としての魔女としばしば「同等」の存在として登場するのが、

です。それだけ現実的に苦しめられた子供達も多かった、ということなのでしょうか、心の貧しい子連れの女性に。。。不思議なことに、「継父」に苦しめられる子供の話というのは多くありません。単純に考えれば、父親は自分の子だろうが再婚相手の子だろうが、どっちにしろ自分の腹を痛めてないから違いが希薄、故に彼らへの応対も比較的平等、ってことなのかもしれません。私は子供を産んだことが無いので憶測まくりですけど・・・

ということで、この「継母≒魔女」というのは、「dark side of the ニンゲン」といった役回りです。ああ怖い。一番怖いのはこれですね。人間の抱く憎悪、怨念。

お待ちかねのこびとです。おそらく、この二つに分けられるでしょう。前者は率直であり、理性的であり、不可思議な力を持ちます。悪戯好きなものも多いのですが、人間的に泥臭く邪悪なことをやらかす、というのは少ないようです。正直さが彼らとうまく接するコツです。

一方後者は・・・成長ホルモンの関係か、平均的な成人並には身体が発育しなかっただけの、ただの人間である場合が多いようです。その意味で前者よりも遥かに人間臭いのですが、それでも「dark side of the ニンゲン」といった側面は希薄なことが多いようです。人がいい、という感じ。

なお、Machintoshに棲むこびとは、前者の末裔です。

こういうひとたちが活躍することが多い、というのは、昔話の本領なのかもしれません。彼らは恐らく、ある種の人間の暗喩として動き回ります。多数派だったかもしれない農民などのごくごく平凡な人間というのがあまり出てこない、ということを併せて考えますと、こういった昔話では、そういったごくごく平凡な人たちをそのまま出すんぢゃあつまらないから勝手にソーセージとかにしちゃってたのかもしれないですね。縫い針や血入りソーセージにされちゃった人にしてみればたまったもんぢゃないかもしれませんが、読むほうとしては面白いです。ははは。


2.ありがちな設定等

前節では「典型的な登場人物」について一通り書いてみました。次にここで、「ありがちな設定/現象」について書きます。

まずは

これは「必須アイテム」の類でしょう。物語の主人公に「美しい」という形容詞をかぶせるだけで、ただのつまらない話にも彩りが加わります。最近亜米利加辺りで売れている三流大衆小説を見ればそれは明らか。昔話の場合は「つまらない」なんてことはないものが多いのですが、いずれにせよ読み手は、勝手に自分好みの主人公を妄想し、その人物に疑似的に恋することが出来る、というわけです。

で、その「美し」さの形としてよく出てくるのが、

といった修飾です。色白で血色がいい、ということでしょうか。女のコにも男の子にも用ゐられます。こういった修飾が「ホメ言葉」になるのは、恐らく印度〜中東〜欧州での話だと思われますが(物語自体は別の土地起源でも、伝わる間に彩りを添える意味で加えられたこともありそうです)、一つには「太陽の下であくせく働かずに白いままで居られる方がいい」といった願望もあったのかもしれませんね。これが価値のあるもの、として通用していたらしいことの背景には。

一方で、

という修飾が某お姫等には冠せられていました。そのお話は・・・印度の方が起源?黒檀って印度の木ですし、(瞳が)黒い(のが美しい)というのは、金髪碧眼を尊ぶコーカソイドの発想ではないような気がします。や、今の印度ではコーカソイド(アーリア人とかの末裔?)が多数派やもしれませんが、そうでない時代(ドラヴィダ族はよくしりませんが、ムガール=蒙古帝国とか・・・)もあったようですし。

さて、今度は「家族構成」としてよくある設定です。

これは・・・典型的な子供の数が三人くらいだったのかもしれないということと、男ばかり或いは女ばかりのきょうだいが多いというのは、○×の△□がピーーーで云々・・・というようなことで、実際にこういうきょうだい構成が多かったのかもしれません。また、お話を作る上で、三人ってのがよかったから、といった作為的な側面もありましょう。

大抵、末の子が一番可愛いか正直で、いい役を貰っています。これを読んで下さってる方の中に三人兄弟/姉妹の末っ子なひとがいらっしゃるや否やわからんちんですが、もしいらっしゃったら・・・「らっきーですよ、あなた。きっといい目に遭えます。」と無責任に言い放っておきましょう。いいなぁ、いい目。。。

(でも、けだものに連れ去られてしまうのも末っ子が多いような・・・)

次は面白いあだ名。

辛い労働やずる賢さの欠落の為に苦しむ不遇な子供。そういった設定がよく出てきます。そして、大抵は後で「周囲を驚かせる」ような幸運が巡ってくるのですが、それには、実際に苦しんでる子供を励ます目的もあったのかもしれません。また、ちょっと悪知恵が働くからといってうぬぼれたり、ちょっと不満があるからといってあばれたりしがちな子供を諌める意味もあったのかもしれません。

まあ、昔話から無理矢理に教訓をほぢくり出すというのも無粋な行為でしょうからあまりいろいろ書きたくありませんが、現実にこういった昔話に慰められた子供たちも居たのかもしれないな、と思った次第です。

(あだ名と言えば、私も人の子とは言えないようなあだ名付けを勝手にどんどんしてしまったような記憶が・・・)

そして最後に

これは、「継母(魔女)」に追われたお姫さま系人物が、その追跡から逃れる為に、どっかから貰ってきた/持ち出してきた魔法アイテムを使って自身を湖に、その恋人(王子さま系)を水鳥に変えてしまう、というものです。(役割分担は、逆の場合や、「薔薇と蜜蜂」等の場合もあり。)

相手の追跡速度が自分達の逃亡速度を上回っている為、こういった「擬態」「変身」でごまかす、という知恵のようです。(Skaarj狂戦士やらじょおうさま相手にもこんな手が使えたら・・・)ただ私としては、そんな目立つものに化けないで「道端の名も無き雑草その一とその二」なんかに化けたらいいのにな、と思わないこともないのですが、そこはお姫さま系だけあって、目立ちたがりなようですね、根が。。。

いつの時代にも、どんなお国柄でも、「若い二人」というのは周囲から迫害されるもんなんですかねぇ。「二人でやってくにはいろいろ障害があるのだ。マケルナ!」という意味もあるのかもしれませんが、何の障害もなくてただただ二人の世界に浸ってるだけの恋人同士というのは、見ててもつまらん、お話にならん、ということなのかもしれません。

ま、いろいろ異論反論オブジェクションありましょうが、「幾多の困難を乗り越えて、やがて幸せを手にする二人」というものは、多くの子供たちをはらはらどきどきさせながら惹き付けてきたのだと思われます。ずっとずっと昔から、あっちこっちの国々で。

或いはそれは、「果たし得なかった夢の残骸」なのかもしれません。大人たちの。


3.unrealでは

さて、ここらで、この記事が何のシリーズだったのかを思い出すことにしましょう。

・・・・・・えーと・・・何でしたっけ?(滅)

失礼。滅んでる場合ぢゃないですね。unrealではどんな感じかな、というのを当てはめてゆきます。

こんな感じの配役を考えたのですが、如何でしょう?・・・(skaarjさんやmantaさん等、細かいvariationsのあるひとたちも居ますがそれは別として、)「unrealに登場するひとたちの総括的紹介」になりましたでしょうか?

;)

(でも、肝心の恋人はどこで拾えばよかったのだろう・・・あ、だから「続く」のかな?)


4.現状・・・

グリム兄弟の童話集というのは、なるべく「独逸の」を意識して集められたようなのですが、内容や舞台等を見ていると、相当にworld-wideなネタが多いようです。一寸法師にそっくりの話があったり、欧州には居ないはずの動物/無いはずの地形が出てきたり、九尾のきつねが出てきたり、さるかに合戦があったり、浦島太郎もあったり、といった具合でした。

童話というのは口承の文学、そしてその起源はどこなのか不明なものが大半です。しかし、世界の各地に似たような話がある、つまり、世界中がまるで蜘蛛の巣で結ばれたような状態を幾分象徴的にですが現しているようにも思えます。昔は、今ほどには情報の伝達が鬼のようではなかったはずですが、それでも確かに情報の拡散、遠方への伝達というのはあったと言えましょう。

人間は古今東西、コミュニケーションというものをしてきたのですね。その伝統が殆ど破壊されつつあった昨今、WWWを含めてInternetというものが普及してきたことは、ある意味で幸運な偶然、しかし考えようによっては、我々人間の欲求が果たした必然、とも言えるのかもしれないと思います。

ふとそんなことを考えました。

ところで、前回「これくたゆい」について書きましたところ、「それを言うなら、『さくら』のほうがやばいのでわ?」といった声がどこからともなく聞こえてきました。やー、流石にそれはないでしょう(ドレ?)。だって、あっちはまだ10さいくらいです。小学校の「中学年」ってやつですよ。ははは。

・・・などと油断してたら、あの碧眼のおぢゃうさん、ゆきとさんに会って一瞬ですが「オンナ」の顔になってましたね。。。ははは・・・やばやば・・・ぼやぼやしていると、「ヘンタイっ!」「はんざいしゃっ!」と石を投げられそうなので、異様に苦しいフォローを入れておきます。ぬいぐるみやさんのひともよかったのですが、やっぱり私としては「色も香も」な知世さん・・・(ま、まって。早まって石を投げないで下さいィ!)・・・の母上が好みです。ハイ。

ふぅ。♪でぃぐだぐでぃぐだぐらんらんらんっ、状態。。。

でも、ホントは「水」さんの方がこのみです。。。えっだれもきいてない?

(以上1999.07.04)


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