☆98年7月の日記☆


☆7月26日
なんか、久しぶりに休日で休んでます。こないだまではコミケの原稿が引っかかってたからなぁ。
ようやく、念願だったMDデッキを買ってきたので、のんびりとセッティング。のどかな一日だ。

ところで、昨日・今日と知人の漫画家さんから電話をもらい、原作物の仕事についての愚痴を聞かされる。
要約すると、「原作物なんか、やるモンじゃない」と言うことだ(笑)。
基本的に原作があっても仕事が減る訳じゃないし(むしろ増えてるような^^;)、印税持ってかれちゃうし、
ヒットしない限りはイイとこなしだという。
特によく言われるのが、”多くの編集者が、「原作」の不具合を、漫画家が「ネーム」を切った後に
なって直しはじめる”
という問題だ。このために”漫画家が原作者の尻拭いをしている”という状況が
出来てしまい、結果としてお話考えてもらってるにもかかわらず漫画家の仕事が増えるという奇妙な事になる
ようだ。
そして、こういう愚痴を抱えている漫画家は決して少なくないのだ。
 #ってゆ〜か、オイラの知人で原作物やった人はことごとくって感じだもんなぁ(^^;)。

ではここで、上手な原作物の仕事の断り方を教えよう。

オイラ・出口竜正もジャンプにいた時に一度だけ原作物の仕事を持ちかけられたことがあった。
原作者はBという若手で、週刊誌で別の原作者とコンビを組んで某巨匠漫画家に描いてもらって
大コケしてるキャリアの持ち主(どんなにひどい内情だったかは裏で良く聞いていた^^;)。
持ってきた話と言うのが
『借金取りの男(主人公)が借金の取り立てに言った先のおもちゃ工場に色々嫌がらせをするうちに
おもちゃ工場の一人娘が好きになり、恋を成就させるというラブストーリー。』
(いや、だって、ホントにこんな話だったんだってば!^^;;;;;)

オイラとりあえず表面上は冷静に話を聞いてたが、心は嵐である(笑)。
打ち合わせのキリの良いところで、オイラこう言った。

炉利江さん(編集者・仮名)その話は俺には合わないと思いますよ

そして何喰わぬ顔で席を立って帰り始めちゃったのだ。編集さんはあわてて追っかけて来たが、
それ以降、この出口に妙な原作話が舞い込むことはなくなったという、、、、、

えっ!?ちっとも上手な断り方じゃないって(笑)? いや!だってさあ、、、、、(^^;)。


☆7月24日
[今週の打ち合わせ]
なんか今日は、うやむやのうちに第2話のOKが出ました(仮だけど^^;)。
で、第3話の打ち合わせをしていると、突然、担当氏が、
「やっぱ、この漫画、俺の担当の中では群を抜いて馬鹿馬鹿しいや(笑)。」
と、感嘆。 それを聞いて満足げにうなづくオイラ。 やっぱ変かも。

しかし、来週、第3話のネームかぁ。出来るかな?
今日のはかなり、いやもの凄く抽象的な打ち合わせだった様な気がするが(笑)。


☆7月21日
ふひぃ、今日、夏コミの入稿を済ませました。ちょっと早めでしょうか。
今回は、当初は軽く仕上げるつもりだったんですが、なんだかやっぱり濃くなってしまったかも(笑)。
夏コミカタログのRYUSE-Pのサークルカットに書いたとおりの本になってるはずです。
興味ある方はチェックよろしくね。


☆7月15日
今日は、INETで読める面白いセミドキュメント小説を紹介したい。

RYUSE-Pからリンクしてるオイラの業界知人の安麟太郎さん(略してヤスリン。アクセントは頭)のHPに『我が闘争』と名付けられた彼の自伝小説が現在5章まで載ってるのだが、その小説の中に、オイラ・出口竜正がキャラクターとして登場してきたのだ(笑)。

この小説は安氏が漫画家を目指し上京してからの、意地悪な悪徳漫画編集者や恐ろしいコンピュータゲームの誘惑との戦いの物語で、漫画家なら共感できる所の多い話だ(笑)。
”漫画界の暗部”に興味のある方はちょっと読んでみると面白いと思う。

ちなみに小説の4章に登場するKKと言う漫画家の先生のトコはオイラが生まれて初めて漫画家のアシスタントをやった仕事場で、安氏も書いてるようにけっこう”きっつい所”だった(^^;)。
なにしろオイラ、初めてのアシスタントで先輩が「逃げる」という経験をしてしまったのだ。(その時仕事場にアシはオイラしかいなくなった)スタッフに逃げられて途方に暮れた声で「出口君、頼むよ」というKKさん。
いや、頼まれてもね〜。その当時オイラ、素人だからね〜(笑)。

なお、その小説に登場する”出口”はかなり滅茶苦茶なキャラに脚色されてる(いい方にも、とんでもない方にも^^;;;;;)ので、割り引いて読んで欲しいな(お願い^^;)。

☆安麟太郎さんのページへのリンク☆
☆出口竜正・登場の小説第5章を読む☆

しかしこの小説を読んで思うに、インターネットの時代では、漫画の打ち合わせ室はもはや密室では無いと言う事なのだねぇ。(しみじみ)
これからは世の悪徳編集者の諸氏には出鱈目な打ち合わせはやめてもらいたい。
どこのページで小説の登場人物になるやらわからない時代なのだから(笑)。

[ひとりごと]
なびぃ、まだ漫画の編集やってたのか、、、今は青年誌で大暴れとは。
やめなさいって、人に迷惑をかけるのは(苦笑)。


☆7月11日
[今週の打ち合わせ]
新連載が10月から始まることが確定しました。
始まるまでちょっと(というか、かなり^^;)あるのと、今ちょっと(というか、かなり^^;)忙しいので、ちゃんとしたことをこのHPで書くのは8月はいってすぐ位にしたいなと考えています。

それにしても準備に時間がかかりました。でも、まあこんなモノかもしれません。
苦労のかいあって最近は登場キャラもだいぶ自分の中で馴染んできた感じがしてきました。担当達にも主人公が「可愛い奴」でイイと納得してもらえているようです。
今回主人公については、”UFOキャッチャーのぬいぐるみになりうるキャラ”を目指していたので、だいぶ目標の形に近づいてきてるのかなと手応えを感じています。

まぁ、まだ3ヶ月以上もあるので気長にお待ちいただければ幸いです(笑)。


☆7月7日
今週の週刊少年ジャンプに出口竜正が載ってます。
と、言っても、出口の漫画が載ってるのではなく、出口竜正が載ってます。(笑)

115pのグラビアページ(少年ジャンプの歴史紹介みたいな特集記事)で上の方の手塚賞創設の項で、「和月伸宏先生も受賞した」と紹介されている写真に受賞者とおぼしき漢(おとこ)達が並んでいるのですが、その前列右隅が出口竜正です。
 #小さくてよくわかりませんが(笑)。

こないだの打ち合わせの時に編集部に置いてあったジャンプ読んでて発見し、思わず、マガジンの編集者達に自慢してしまいました(^^;)。
編集さん達は”記念の楯”と受賞者達がネクタイを締めてるのに驚いていたようです。
とりあえず私はマガジンの新人賞にも何か記念のモノを!と力説しておきました。
そう言うのがあるとイイんですよ。漫画に反対する親を説得するのに(笑)。


☆7月5日
この土日は大学の後輩達と悪だくみ(笑)。
金曜の打ち合わせで体力を使い果たしていたので、誰か居ないと作業が進まないところだった。 ありがとう、例の二人。
この世には”ある特定のモノ”なら、今でも構造をすっかり憶えているという人が居るのだなぁ。まったく会社員にしておくのはもったいない。

ここまで読んで、いったい何の話なのかよくわからない人も多いにちがいない。
しかし、この日記はたまにマガジンの編集さん達(何故か担当じゃない人^^;)まで読んでたりするらしいので、うかつなことが書けないと言う、ボクの切実な事情もわかって欲しい。

書けぬ!
打ち合わせも遅れがちなのに、同人誌の原稿など描いていると言うことは(爆)


☆7月3日
[今週の打ち合わせ]
あ〜、きつかった!今週はよくネームあがったよな〜。
(って、1週とばしてるはずなのに^^;)
編集から「もう、HPで発表してもいいよ」と言われましたが、なにしろまだ第1回の掲載号が決まらないので、書きにくいんだよね〜。ど〜しよ?

しかし、この年で、1週間に2回も30時間以上の徹夜をやることになるとは思わなんだ。まるで昔の漫画家だ(笑)。

打ち合わせで担当から「良くこんな事考えつきますね(笑)」と受けた、が、そのネタはあえなく没に(^^;)。 つらい。つらい仕事だ、まんが道。





☆最近の近況に戻る☆


☆この前の月の日記を読む☆

TOP /NEW!/ 自己紹介 / 命〜紅の守護神 / 図書館 / 近況 / リンク