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かつて立てた場所に三脚を立て、 来る筈の無い列車を、待つ。 馬鹿げているようだが、あることに思い当たった。 変わっていないのだ。 最早かつての「あの日々」だって、 目の前にいない列車を思い描きながら、 三脚を立てていたではないか。 列車の「実体を見ていない」時間の方が、 はるかに長かったではないか。 待ちながら、想い続けていたではないか。 では、「実体を目の当たりにした」ほんの僅かの時間が、 減っただけに過ぎないのではないのか? 列車を想うことは、いつだって出来る。 列車を待つことは、これからだって出来る。 静けさが戻ったここで、 しばらく待ち続けてみたいと思う。 〜 1997年10月1日のメールより 〜 |