丸山  告別。



翌朝、私の知らない横軽があった。


惜別

片付け1

片付け2

彼方の地
主を失い



コスモス揺れて
かつて立てた場所に三脚を立て、
来る筈の無い列車を、待つ。

馬鹿げているようだが、あることに思い当たった。

変わっていないのだ。

最早かつての「あの日々」だって、
目の前にいない列車を思い描きながら、
            三脚を立てていたではないか。

列車の「実体を見ていない」時間の方が、
            はるかに長かったではないか。

待ちながら、想い続けていたではないか。

では、「実体を目の当たりにした」ほんの僅かの時間が、
減っただけに過ぎないのではないのか?

列車を想うことは、いつだって出来る。
列車を待つことは、これからだって出来る。

静けさが戻ったここで、
しばらく待ち続けてみたいと思う。



〜 1997年10月1日のメールより 〜





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