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映画日記 2018年 (23本)


見た映画の記録です。2018年分です。上の方ほど新しく観たもの。 このサイトを休止している期間の映画鑑賞記録を別に残していたので、2021年の再開に際してこちらに再構成してアップ。 評価は ★★★★★ が最高。

年度リスト 】 【 ◀ 2019年 】 【 2017年 ▶

No. タイトル 評価 感想
23 ヘレディタリー 継承
Hereditary
★★★ なかなかに緊迫感のあるオカルトホラー、なのは多分、夫を除く登場人物全員が精神がやばいくらい不安定なため。 でも、あんな人たちはどこかに本当にいて、あんな現象も密かに、しかし実際に起こってるように思えてくるリアルさはある。 ただしそんなに怖くない。
22 ア・ゴースト・ストーリー
A Ghost Story
★★★ シーツをかぶり目の所に黒い穴二つと言う意表をつく姿の幽霊だが、生前の個性を失う様にうまくマッチしている。 愛する人との突然の別離の無念、生きている故に先に進む彼女に取り残される切なさが次第に漂白され、 成仏のきっかけをつかみ損ね、時に悪霊になりながら長い長い時をさまよう。世界は喪失に満ちている。
21 ボヘミアン・ラプソディ
Bohemian Rhapsody
★★★ クィーンのメンバーの2人が音楽総指揮でオリジナル音源をふんだんに使った迫力のライブシーンは圧巻。 メンバーの演技もどハマりで、そこだけなら最高評価。 だけど、バンド結成から伝説に駆け上がる経緯やフレディ・マーキュリーの私生活の苦悩のドラマは興味深いが残念ながら薄い。
20 アンダー・ザ・シルバーレイク
Under The Silver Lake
★★★ D・リンチを思わせるアングラ映画。ダメ現実から逃げ出したいのかそこに安住したいのか良く分からないダメダメ主人公が ロサンゼルスのセレブ界隈から地下世界まで暗号と陰謀論に導かれて右往左往。 かなり支離滅裂、意味不明だが、受け入れられると意外と面白い。この手の作品に理解のない人にはキツそうだが。
19 ブレイン・ゲーム
Solas
★★★ 予知能力者同士の先読みバトル、と言ってしまえば良くある感じだが、名優A・ホプキンスが演じると空気・緊張感が違う。 神のごときギフトの持ち主の選択と覚悟は、現実と無関係なわけでもなく意外と重いテーマだった。
18 クワイエット・プレイス
A Quiet Place
★★★ 音を立てたら襲われる、というと「トレマーズ」を思い出すね。怪物もそんな感じだが、 登場人物は互いに守り合い助け合う家族で、彼らに次から次へと最悪な事態が起こり続ける緊張感は息を飲む。 でも、あんな虫程度の連中に人類が滅ぼされかけることはないはず。
17 ザ・プレデター
The Predator
★★★ 世のボンクラ男子だけに向けたSFアクション。だったら最初のヤツもっとフレンドリーでも良かったのでは? とかなぜ女性科学者の戦闘能力が最強兵士レベル? とか言いだせばキリがない。 矛盾も破綻も踏み越えて、ご都合主義を重ねに重ねて派手な爆発とバトルに特化する、端的に言ってB級バカ作品だが、 嫌いじゃない。うん、嫌いじゃないんだよなぁ。
16 MEG ザ・モンスター
The MEG
★★★ 中国市場を意識した中国資本投入大作はなぜこんなにモッサリになるのやら。 ジェイソン・ステイサムの安定感はさすがだが、ヒロイン役リー・ビンビンと子役の中国勢が下手過ぎる。
15 カメラを止めるな! ★★★ よく出来た面白い映画だし、専門学校の低予算ワークショップ作品とは思えない完成度だけど、前評判で持ち上げ過ぎ。 37分ワンショットの劇中劇は素直に凄いと思う。
14 2重螺旋の恋人
l’amant double
★★ アレもコレもソレが原因? という理屈は無くても良かったかな。 どのエピソードが現実で、どこからが妄想なのか、いかようにも解釈できる感じは良いし、 エロもグロもそれなりの緊迫感で悪くないけど、私の趣味ではない感じ。とりあえずオシャレではある。
13 ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談
Ghost Stories
★★★ まずは単純に怖いのが良い。さらに関係ないはずの3つの不気味な謎が、次第に主人公の過去に収斂して行く様がジワジワと迫る。 実は幽霊関係ないし「ジ○○○○○ラ○○」の様な、と言うとネタバレか。最後の病室のシーンは元の舞台劇を思わせるね。
12 ウインド・リバー
Wind River
★★★ アメリカの雪深い辺境ワイオミングの先住民居留区で起こったレイプ事件を発端とするサスペンス。 結局はありふれた事件でしかないのだが、経済的繁栄とは無縁の荒廃した土地や社会から逃げられない人々の閉塞感が 次々と人命を奪って行く。それでも厳しい自然が生み出す、都会とは異なる秩序と正義がバランスを維持するのだ。
11 ジュラシック・ワールド 炎の王国
Jurassic World: Fallen Kingdom
★★★★ 安定の面白さ。思い上がった人間の浅はかさが惨事を呼ぶ。原題の「墜ちた王国」ってあの島じゃなくて... ってことね。 でもあの頭数だと直ぐに駆除されちゃうよね。
10 パンク侍、斬られて候 ★★★★ ハイスピードで明後日の方向へブッ飛ぶ、想像を遥かに超える暴走映画。でも面白い。 意味不明とか下品とか最低とかと切って捨てるネット評を多く見るが、このふざけた狂気、混沌が良いのだ。 なにせパンクなのだから。極度に観客を選ぶ作品。
9 ハン・ソロ
SOLO: A Star Wars Story
★★★ 悪くは無い、むしろ面白いのだが。 こうなる、と分かっているキャラクターがそうなるまでの話はストレートに作るだけでは不十分だよね。 会ったばかりの反乱軍に急に肩入れするのも唐突感あるなぁ。
8 ニンジャバットマン ★★★ 日本の戦国時代にタイムスリップしたバットマンが第六天魔王と化したジョーカーや他のヴィランたちと戦う、 という話だが思った以上にムチャクチャで、改造された城が巨大ロボになり合体したり! とはいえ日本人がアメコミをアニメ化するなら、とわかりやすい感じで暴走してみた、かな。 その予定調和的暴走はともかく、絵はかなり良い。
7 デッドプール2
DEADPOOL 2
★★★★ 殺し屋寄りのクズヒーローを自覚しながら、良い存在であろうとするデッドプールの姿は意外と胸を打つ。 ヒュー・ジャックマンはともかくマーベルに関係ないブラピがちょい出てる! 今回はR指定で無くても良かった気が。
6 シェイプ・オブ・ウォーター
The Shape of Water
★★★ デル・トロのロマンチックなグロさは控えめ。必要以上のアダルト風味がそうなのかもだが。 主人公たちの性愛は当時の黒人やゲイへの偏見と地続きで、差別反対を常識とする観客の度量を意地悪に試しているようにも。 それにしても国家機密を扱う研究所のセキュリティはあんなに緩かった? 冷戦時代だよ?
5 悪女 Akujo ★★★ 「ニキータ」「キル・ビル」の系譜だが、リミッター振り切りの超絶過激作。 殺戮としか表現しようのない、身体が肉と骨と血でできていることを見せつけるアクションの熱量がとんでもない。 韓国映画ならではの甘いロマンスとの連結もさすが。
4 羊の木 ★★★ 犯した罪は大きくとも罰を受け償えば再び社会に受け入れられるべき、ではあるが、まれにモンスターが紛れているかもしれない。 終始不穏なこの映画の6人の元殺人者はそれぞれ異質さはありつつ誰が“そう”なのかは見分けはつかない。 ノロロ様は今でもまだ悪神なのだ。元受刑者に対する差別につながりかねないが頭に引っかかる問題作。
3 ジュピターズ・ムーン
Jupiter’s Moon
★★★ ハンガリー&ドイツの文芸SF(少し不思議)。シリア難民問題に実感がないと本当のところの共感はできないのだろうけど。 浮遊する主人公は宗教的シンボルで、難民たちと自らの苦難、ヨーロッパの矛盾をくぐり抜けた先で世界を変える(壊す) 何者かになるというのがラストの暗示かな。
2 スター・ウォーズ 最後のジェダイ
Star Wars: The Last Jedi
★★★ とりあえず2時間半は長い。重要な時代の転換期なので仕方がないが、余分なキャラクターとか多すぎ。 大義に命を殉じる、も重ねすぎるとくどい。 SWシリーズとしてのクォリティは確かだが。
1 ゴッホ 最後の手紙
Loving Vincent
★★★ ゴッホの死の真相を探る青年の物語をゴッホ調の油絵でアニメーションにする一発芸。