★Nさん★
打ち合わせ風景1にも登場した出口竜正の担当編集者。
今回も、またまた出口と大激論。
熱い漢(おとこ)だ!(でも、セーラームーンに詳しい。)
★スーパーエディターKさん★
『MMR-マガジンミステリー調査班-』で一躍業界のアイドルとなった「日本一有名な漫画編集者」。漫画の中でのエキサイティングな活躍とは別に、純粋に漫画編集者としても抜群の実績を持つ「切れ者」だということは、一般にはあまり知られていないかも知れない。
もちろん出口竜正の担当編集者ではないのだが、今回、何故か登場。
今回のエピソードの中でも「切れ者」ぶりをいかんなく発揮してくれる。
せっかくイニシャルにしたけど、モロバレかも(笑)。
[状況]★ポイントはただ1点だった、、、
行鬼ミズチを討つために古都美との神言術を行わんとする命。だが、古都美は父を前にし、恥ずかしさのあまり激しく抵抗する。命の苦渋の選択。突如、袖から”しめなわ”を取り出すと、古代神を召喚するために古都美の肢体を縛り上げていくのだった、、、
Nさんはこう主張する。
「漫画なのだから、何かこう、規則的な様式美にのっとったような縛り方はできないものだろうか?」しかし、出口にはこんな疑念があった。
「激しく抵抗する女のコを立ったまま縛り上げるのだから、ランダムな縛り方しか出来ないのではないか?この状況で、規則的な様式美にのっとったような縛り方が出来るのはよほどの達人のみ、、、、」会議は踊る。されど進まず。
「命くんは達人ではないのかね?」
「もちろん達人です。 い、いや、しかし、そりゃー一体、何の達人なんですかっ!?」
Nさん。「おお。出口くんにも紹介しよう。彼がMMRでも有名なマガジン編集部のエース、”スーパーエディターK”だ!」男の瞳が眼鏡の奥でキラリと輝く。
Nさん。「今、こんなネームやってんだけどね、スーパーエディターKはどう思う?」スーパーエディターKさんが、雑な絵で描き殴られた出口のネームを、一瞬見た。
出口 「キッコー!!!」さすがは「切れ者」! 混迷の打ち合わせを一言で片づけたのだ。
Nさん 「こりゃまたキッコー。」
実は、この話には後日談がある。
先日、命の原稿を書き上げようとしていた時のことだ。スタッフの一人がおもむろにこう言った。
「漫画家のU先生が言ってたんだけど、マガジン編集部では出口さんの事は”ダンディーな漫画家”だという評判らしいですよ。」「なぬ〜〜〜〜!??」 いつもの編集部での私は、よれよれのGパンに迷彩模様のトレーナーを着て、どこかに来週号のマガジンが落ちてないかと、眠たそうな栄養失調の熊のようにうろついているという、、、そんな私に”ダンディー”などという枕詞が冠されようとは、、、?、、一体!?
漫画家が聞く”編集部の評判”とはイコール”担当者の認識”に他ならない。
そして、Kさんと出口の接点はあの「しめなわ事件」のみである。
ハハ〜ン、、、
すなわちこうだ。
Kさんの「キッコ〜」発言で、出口がKさんの事を、
と、感嘆していたのと同時に、Kさんもまた、こんな「しめなわ縛り」を描いてしまう出口竜正の事を、
と、舌を巻いていたという事である!
人間、何がきっかけで人からどのように評価されるか、全く予想がつかないモノだ。
ただ、一つだけ確かなモノがあるとすれば、それは、
”お互いの熱い魂をぶつけ合う真の漢(おとこ)の打ち合わせからは、確実にお互いの尊敬の感情が芽生えるモノだと言う厳然たる事実”であろう。