ダンスとは何か?




★ 定説1:ダンスとは「落ち着きのなさ」である

「沈鬱」「停滞」「鈍重」の反対=「落ち着きのなさ」としての「ダンス」。
例えばニューヨークのブロンクスのストリートでヒップホップ踊っている
黒人の悪ガキ。あいつらは日常動作もすべてダンスだ。それは、常に踊り
たくてうずうずしている身体。だから落ち付きがないのだ。「どこから見
ても落ち着きがない」ことこそが、「アブソリュート・ダンシング・マン」
(=根っからのダンス馬鹿)であることのしるしなのだ。だから、単なる
「貧乏ゆすり」も「ダンス」と言ってしまおう。


★定説2:ダンスとは「笑う身体のエクボ」である。

「歩行」は目的(地)に向かって最短距離を黙々と足を運び続ける。
ところが、ダンスは「真直ぐに歩けばいい所を、くねくね歩いたりするもの」
である。ダンスは非効率、不合理、「無意味」ないわば「道草」のような娯
しみにかまける身体ではないか? 道草をくっているときの身体は笑っている。
笑う身体に出来るのは「エクボ」。だから、単なる歩行と言えども「真直ぐ
でないもの」は「ダンス」と呼ばねばならない。

(「世界の定説集」より)


    


*「ダンス」とは何か?(世界の定説集より)  *ダンス再入門〜迂回路を通って〜(ワークショップ参加者募集のチラシより) *何故批評家がワークショップを開くのか? *百メートルを三日で走る by 宮沢章夫