私たちの記憶の95%は継続的に思い出さない限り消えてなくなるといわれています。とてもうれしかったり、とても悲しかったりして、何度も思い出すような記憶は消えることはありませんが、何度も思い出すことがないような当たり前のできごとの多くは記憶の彼方に消えてしまいます。しかし、そのような記憶はまったく失われるのではなく、ただその記憶へのアクセスが失われているということが多いようです。そのようにして脳には残っているものの、その記憶へのアクセスを失ってしまったような状態の時、その記憶は無意識の領域に入ったと言えるでしょう。
無意識の領域に入った記憶は、私たちの目には明らかには見えないわずかな影響を長い期間に渡って与え続けます。そのわずかな影響は目立つことがないのでほとんど矯正されることはありません。しかし、その影響は長い期間に渡って継続するが故に、私たちに甚大な影響を与えることになります。 自分史を継続的に書くことによって、一度は無意識となってしまった記憶を呼び戻すと、その無意識がどのような影響を自分に与えていたかも知ることになるので、無意識によってこうむっていた様々な影響から自由になることができます。 |