疾患予防の栄養学 

欧米諸国は1970年代から動物性脂肪摂取削減に取り組み、1980年から2000年にかけて心血管死を半減させています。下記のグラフはノルウェーの心血管死亡率と食料消費量の推移です。


工業化された20世紀に畜産物の都市部への供給が可能となり、小麦などの炭水化物の消費が減り、牛乳、卵の消費が増えて、心筋梗塞による死亡が増えました。心筋梗塞の原因を牛乳、肉、卵に多い動物性脂肪(飽和脂肪酸)であることを国民に説明して、牛乳の消費を減らして心筋梗塞発症予防に成功しています。学校での牛乳の提供は禁止されています。

宮城県の急性心筋梗塞患者数です。すでに欧米で発症が減少した1980年代から発症が増えています。日本でのエヴィデンスがないなどの屁理屈で。予防医学が無視されています。


疾患予防の栄養学は医学として確立されています。
American Heart Association米国心臓協会 のホームページから参照しましょう。
脂質の項目の解説(日本語)

推奨されている食べ物は、
果物、野菜、全粒穀物(玄米、茶色いパン)、脂ののった魚で、和食そのものです。

悪い脂質−動脈硬化をおこし心筋梗塞、脳卒中の原因になるのは
飽和脂肪酸
成分無調整牛乳・乳製品、肉の脂、パーム油(動物性脂肪と熱帯植物油) 
トランス脂肪酸 一部の業務用油(植物油に水素添加した業務用油)
コレステロール
:動物性食品、特に卵黄

良い脂質
多価不飽和脂肪酸:魚の脂、紅花油、ごま油、大豆、コーン、ヒマワリ
単価不飽和脂肪酸
:オリーブ油、菜種油 
で多価不飽和脂肪酸の方が単価不飽和脂肪酸より健康的です。

細胞膜 THE CELL
 

不飽和結合の数が多いほど、炭化水素鎖が曲がって、固まりづらくなります。室温で液状の油になります。n末端(上図では下)から3番目、6番目に最初の不飽和結合があるのをn-3(ω-3)、n-6(ω-6)多価不飽和脂肪酸と呼ぶ。n-3は魚、人乳に多く、n-6は大豆、ゴマに多い。不飽和結合が一つだけなのが単価不飽和脂肪酸。
飽和脂肪酸が多いと固まりやすい脂肪となり、室温で固形になります。

飽和脂肪酸の項目の解説(日本語)
動物性脂肪がBAD FATSで肉の脂と牛乳の脂肪分です。

トランス脂肪酸の項目の解説(日本語)
食品総合研究所のトランス脂肪酸の解説
酸化しないように植物油に水素添加した業務用油です。ファストフード、お惣菜、パン、カレー、レトルト食品など至るところで使われています。

戦後のカルシウムを摂りましょう、動物性タンパク質を摂りましょうとのかけ声は、世界に誇れる和食を壊し、洋食化を勧め、日本に生活習慣病を蔓延化させる結果となりました。朝からお米を食べる和食を子どもたちにも伝えていきましょう。

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