内語

 内語は私たちの頭の中で交わされる言葉です。

 黙って考えごとをしているとき、内語が活躍しています。

 私たちは自分が考えていることを自分の意思で生み出していると思いがちですが、多くの場合は周囲の状況から、そう考えるように操られていることが多いのです。

 あなたがいま「まさか」と思ったとしたら、それは前の文章があったからこそではないでしょうか?

 内語は常に周囲の状況に流され変化し続けます。そうであることに深く気づいたとき、はじめて内語を自分自身が操る可能性を持ち始めます。

 ヒーリング・ライティングでは、次項に書かれた「文章のデッサン」をおこなうことによって、自分の内語に気づいていきます。

 内語は書き留めない限り、どんどん変化します。多くの人は十分前の出来事は覚えていても、十分前の内語は覚えてないものです。指からこぼれる水のように失われていく内語を書き留めることによって、あなたは自分の心の動き方を如実に見ることになります。このときはじめて、あなたは、変化し続ける心との対話をする窓口を設けるのです。

 内語は次から次へと変化するが故に、そのまま文章にするとつじつまが合わなかったり、要旨がずれていったりします。そのこと自体をヒーリング・ライティングでは楽しんでいきます。人は自分の内語があふれるままに、それを文章にしていくと夢中になるものです。その感覚を楽しむのです。そして、その体験の後に、参加者は文章を書くことについての洞察を次々と得ることになります。その洞察はもちろん人によって違うものなので、ここに書く訳にはいきませんが、いままでの体験から言えることは、多くの方が自分の文章を非常に前向きにとらえ、変革させ始めると言うことです。

 このワークを続けることによって多くの方が、文章を書く自分なりのコツをつかんでいきます。そしてそのコツは、日常生活での考え方や行動にも影響を与えるのです。

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Healing Writing

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