文章のデッサン

 デッサンをしたことがあるでしょうか? 鉛筆で何度も薄く線を引き、もっとも正しく引けた線を太くして少しずつ輪郭を取り、陰影をつけ、デッサンは完成します。絵を学び始めた人は求める線にたどり着くまで何度でも薄い線を描き続けます。それと似たことを文章でおこなうのです。何度も書く文章はあたかもデッサンの細い線なのです。細い線を描くことを楽しんで下さい。書けば書くほどあなたは本当にあなたが書くべき文章に近づいていきます。

 最初の段階でうまいとか下手とか評価はしません。デッサンの細い線はどの線も完成した作品から見れば無駄な線です。しかし、その作品がその作品になれたのは、そこまで重ねられた細い線のおかげでもあるのです。

 創作は可能性を信じる者の結果です。

 デッサンで細い線を重ねていくように、文章を書き続けます。文章のデッサンは以下の約束に基づいて書いてもらいます。

     

1.書き出したら一気に書く。途中で考えたり休んだりしない。

2.もし文字を間違えても消しゴムやインク消しで消さず、線を引いて消し、すぐに次を書く。

3.めちゃくちゃでもいい。書くことを楽しむ。

    

 文章を書く際に、どうしたらうまく書けるかばかりを気にしていると、書くべきことを見失っていきます。文章のデッサンでは、自分の頭をよぎる言葉を次々と書いてもらいます。その結果、ある程度の速さで書けるようになると、あなたは考えたことをほとんどその速度で書き写すことになります。このとき、内語は書いていること以外のことを語れません。つまり、書いていることと内語がほとんど一致するのです。内語が書いている内容に一致する状態が続くと、そのことが気持ちよくなってきます。その状態とともに文章を書くことによって、あなたは自分が可能だと考えていた以上の文章を書き始めます。

 講座ではデッサンのテーマを与えます。そのテーマに沿って文章を書くことによって、あなたはいままで知らなかったあなたの心に気づいていくことになります。

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Healing Writing

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