ストレスと内語の関係

 ストレスを強く感じるとき、私達の内語はストレスを生み出す言葉を繰り返しています。

「なんでこれがこうなんだ」とか「あれのおかげでこれができない」とか・・・。

 あなたは自分の思い通りに行かないとき、そのことを何度も内語で繰り返し、怒りを増幅していませんか。

 本来は自分の内側で、ストレスを生み出す内語を繰り返すこともできれば、ストレスを手放す内語を繰り返すこともできます。もしストレスを生むような内語を繰り返していたら、ストレスを手放す内語も繰り返してみて下さい。はじめのうちは「そんなこと考えてどうする」とか、「内語程度でストレスが直るか」とか、いろいろと別の内語も生まれてきて、ちっとも効果がないように思えてしまうかもしれませんが、ストレスを手放す内語がストレスを生み出す内語よりスムーズに出てくるようになると、かなりストレスは軽減されます。

 自分がどんな内語で生きているかは長い間生きてきた自分の癖のようなものですから、すぐに変えられるものではありません。しかし、時間をかけて少しずつ変えることを心がけることによってかなり変化します。

 文章のデッサンをしていると、自分の心の底にためた思いが内語として浮上してくるのがわかります。内語は常に自分の中にあるもののため、自分が意図的に変えられると考えがちですが、そうでもないのです。

 こんな笑い話があります。ある修行僧が徳の高い和尚さんに「私はどうしたら悟れるでしょうか」と質問しました。和尚さんは「お前は 猿の尻が赤いことを気にしなくなったら 悟ることができる」と答えました。修行僧は以前、猿の尻が赤いことなど気にしたことがなかったにも関わらず、それ以来ことあるごとに「赤い猿のお尻?」と疑問を持ち続けました。

 赤い猿のお尻同様、私たちもあることを気にしないでいようとすればするほど、実はあることを否定することによって、そのことを気にしているのです。ストレスを生み出さないようにしようとすればするほど、ストレスにフォーカスしているのです。ではいったいどうやってそのフォーカスをはずすのか、そのコツをヒーリング・ライティングでは探求します。

 そこにはいくつかのポイントがあります。それを文字にしてみましょう。

1.自分の言葉を信頼する。

2.自分の感情に繊細になる。

3.自分の心に能動性を生み出す。

4.自分の言葉通りに生きる。

 文字にすると簡単です。しかし、これらを獲得するためには訓練が必要です。泳げない人がいくら泳ぎ方の書かれた本を読んでも泳げるようにはならないのと同じで、実際に訓練しない限りこれらは身につきません。これらの訓練の入り口のひとつがヒーリング・ライティングなのです。

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Healing Writing

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