未来を作ろうとすることと、現れてくる今を受け取ること

    

 私たちは多くの人たちに支えられています。たとえば、電車に乗ることを考えてみましょう。駅にはどのくらいの人たちが働いているでしょう。駅長、駅員、売店の店員、そこに商品を運んでくる人、電車の運転手、技術者、駅のポスターを設置する人、広告の営業をする人、広告を掲載する企業・・・。これだけ多くの人が電車を考えただけで存在するのです。

 私たちが未来を作ろうと考えるとき、これらの途方もなく多くの人たちと関係を作っていくことだと覚悟しなければなりません。

 多くのタイムマネジメントの本ではほとんど個人のことしか書かれていません。しかし、実際に世の中で何かを成し遂げていくとき、この多くの人たちとの関係を考えずに未来を形作ることはできないのです。

 この多くの人たちは、それぞれに自分の意図を持ち、自分の興味で動いていきます。自分が好むと好まざるとに関わらず、未来はこのような多くの人たちによって作り上げられていくのです。

 もし自分が何かの意図を持ったとすると、それを実現するために多くの人と自分の意図を分かち合わなければなりません。

 つまり他者とのコミュニケーション能力が問われることになります。

 自分のコミュニケーション能力を考える際に、すでに生まれている現実に尊敬の念や感謝があるかどうかが大切なポイントとなります。私ひとりでは到底成し遂げることのできない現実が目の前に広がっているのです。もしその現実を否定するのなら、私は常に不満足な感覚を抱えることになるでしょう。

 コミュニケーション能力の裏側には相手に対しての尊敬や興味があります。もしこの感覚を持っていたなら、その感覚を持たない人とは世界は違うもののように見えるでしょう。この感覚とともにいまを見つめると、そのままでさまざまな未来についてのことが現れてきます。

    

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